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高天井照明、選定のポイント

高天井で使用される照明はいつもより気にするポイントが異なりますので、高天井照明の選定のポイントとオススメの商品を紹介いたします。

高天井照明とは

高天井といってもそれぞれ定義が異なります。今回はスカイタワーと呼ばれる自走式の高所作業車で対応できない天井高10m以上の高さを想定します。天井高10m以上となると使用場所は限られてきます。工場倉庫、体育館、ドームなどになります。他にも高天井に使用しなくても屋外で使用して照らしたい場所が10m以上離れている場合や設置する場所が限られていて広範囲を1台で照らさないといけない場合も高天井照明が使用されるケースはあります。そのような場所で使用される照明がどういうものが多いか、どのような特徴があるかを記載します。

高天井照明の特徴

高天井に設置される照明は明るさが必要な場所が離れています。10m以上の高さから明るさを届けないといけませんので、10m未満の高さに設置する照明とは消費電力や器具重量、導入コストなどが異なってきます。また取付工事やその後のメンテナンスにも注意が必要ですので一つずつ特徴をまとめました。

消費電力

まず消費電力です。高いところから明るさを届けることになりますので照明のパワーすなわちW数は大きくなります。このW数が消費電力につながりますのでイニシャルコストも高くなります。水銀灯を例にすると天井高8mくらいまでは水銀灯400W、天井高8m~12mくらいだと水銀灯700W、天井高12~15mくらいだと水銀灯1000Wくらいがよく使用されています。設置環境や必要照度、設置台数によって異なりますが設置高が高くなるにつれ消費電力が上がっていくのは分かると思います。

器具重量

器具重量に関しては使用するランプによって事情が異なります。水銀灯やメタハラ、ナトリウムランプなどのHID照明はW数が大きくになるにつれランプの大きさは大きくなりますので、それに伴いセードも大きくなります。ただしそこまで大きく重量が変化するものではありません。それに対して、LEDはW数が大きくなるとLED素子の数が増えますので、その分重量は重くなっていきます。

導入コスト

導入コストに関しても当然W数に応じて高くなっていきます。特に、天井高20m以上に設置するようなLED器具は、定価が40万円ほどというメーカーもありますので、水俣条約の規制を分かってはいるけどなかなか変更に踏み込めないというお客様も多いのではないでしょうか。

取付工事、メンテナンス

設置高さが高い取付工事は高所作業車が必要になります。また器具重量が重くなると1台に設置するのに必要な人材が2人、3人と増えていきますので取付工事も高くなる可能性があります。また照明が切れてしまった場合のメンテナンスも容易ではないため、1台切れていても、変更せずにそのままという場合も良く見受けられます。メンテナンスは照明器具の寿命や取り換え時に必要なもの(器具一体交換になるのか、ランプや安定器のみの部品交換で済むのか)でも価格が変動します。

高天井照明として使用されるイーネスライト

ここまでの記事で記載したように高天井照明は高く、重いという特徴があります。また現場の方に話を聞くとなかなか高天井に設置しているだけでは明るさが足りないので結局壁に照明の追加設置を行い、手元に照明をつけるなど苦難されているようです。

弊社が販売しているイーネスライトは多面体構造の反射板にセラミックメタルハライドランプセラメタ)を組み合わせた照明です。小さなW数でも反射板を組み合わせたことで遠くまで光を飛ばし高天井照明として実績があります。どのような特徴がある照明か水銀灯1000Wと比較して記載します。

消費電力

65m×44mの広さで設置高さ12mの建屋を想定して平均照度が500lxになるよう照度設計を行いました。その結果を以下にまとめます。

表1 水銀灯イーネスライトの比較

水銀灯 イーネスライト
1台当たりの消費電力(W) 1000 360
設置台数(台) 60 54
トータル消費電力 (kW) 60 19.44
平均照度(lx) 516 522

水銀灯1000Wからの置換だと1台当たりの消費電力は60%以上削減でき、なおかつ台数削減も可能です。

図1:水銀灯照度設計

図2:イーネスライト照度設計

 

ちなみにLEDですがこちらはメーカーによってそれぞれ性能が異なります。弊社が扱っているLEDのMKO-S-180ですと1台当たり180W、60台設置10.8kWとなり平均照度は540lxとなります。より省エネを求めるとこの器具のほうが良いかもしれません。

図3:LED(MKO-S-180)照度設計

器具重量

イーネスライトの器具重量は5.5㎏ほどになります。(安定器別置にて)詳しくは以下ページもご確認ください。https://www.kotanikk.com/light/products/post-11070/

導入コスト

イーネスライトは使用するランプと安定器によって金額が異なります。「高天井用のLEDは定価40万円ほどのものもある」と記載しましたが、イーネスライトは定価25万円ほどになります。詳しい金額は別途見積もりしますので是非お問合せいただければと思います。

取付工事、メンテナンス

取付工事に関しては器具重量がそこまで重くありませんので高所作業車があれば作業は可能になります。1台あたりの設置は1~2人で作業可能です。メンテナンスに関しては従来のHIDランプと同じような形で球切れになった場合は電球のみの交換で対応が可能です。1台当たりの光源寿命はこれも選択する器具によって異なるのですが12,000~24,000時間です。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。弊社が従来扱っている無電極ランプは天井高さ10m未満、水銀灯の400W相当までしか対応ができない弱点がございます。そこを補い提案の幅を広げるためにイーネスライトの開発、販売を行っております。こちらも無電極ランプ同様無料でデモ機の貸し出しを行っております。よろしくお願いいたします。

 

【執筆者:S.S.(一般社団法人照明学会 照明士)】