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無電極ランプのボール型とサークル型の違いと特徴

現在販売されている無電極ランプはサークル型とボール型の2種類存在します。それぞれどのような特徴、メリット・デメリットがあるかをまとめました。

サークル型無電極ランプ

サークル型の無電極ランプは蛍光灯を丸や四角につないだ形状で、弊社が販売している無電極ランプはこの形状になります。

図:サークル型無電極ランプ

ボール型無電極ランプ

ボール型は従来の水銀灯の形状とよく似ています。現在は生産されていませんが、パナソニックが販売していた無電極ランプのエバーライトはボール型の形状でした。

図:ボール型無電極ランプ

サークル型とボール型の違い

サークル型とボール型は見た目の形状は異なりますが、同じ無電極ランプになりますので発光原理は同じになります。コイルにインバーターから高周波電流が送られ電磁誘導により誘導電解が発生します。水銀原子と電子が衝突し紫外線が放出され、ランプ管内に塗布された蛍光塗料に当たり可視光線となります。

記載しましたように発光原理の流れは同じなのですが、コイルの位置がサークル型とボール型では異なります。サークル型は目視で確認できる位置にコイルがあり、ボール型は発光管の内側にコイルがあるため目視では確認ができません。

 

このコイルは発光していると熱を持ちます。熱を持つコイルが発光管内側にあると放熱性が悪くなります。熱は照明の寿命に影響しますのでボール型よりもサークル型のほうが、寿命が長いです。ボール型を扱っている無電極ランプメーカーは6万時間と表記されていますが、サークル型を扱っているメーカーは6~10万時間または10万時間と表記されています。(無電極ランプメーカーHP記載データより参照)

またW数が上がれば上がるほど高温となりますので、放熱性が悪く表面積がサークル型よりも小さいボール型はランプのW数を上げることができません。メーカーにもよりますが、サークル型の最大W数の多くは300Wに対して、ボール型は200Wが最大のW数となっています。

 

ではサークル型の方が良いのかというとそういうわけではありません。無電極ランプは専用の灯具に発光管が入っています。発光管から放出される光は同一物質の中では直進します。サークル型の無電極ランプは発光管から出る光の約50%は本来照らしたい場所とは違う方向に光が放出されます。天井に吊るされた無電極ランプを例とすると、器具の下側を明るく照らす必要がありますが、約半分は上側や側面側に光が放出されています。無電極ランプは発光管だけの利用ではなく専用灯具を利用しますのでこの光は反射して下側にも光を届けようとしますが、反射すると光のパワーは減少します。また反射した光が再び発光管に衝突したり、光同士が衝突するということも起こりますのでサークル型はボール型よりも光の損失が大きいです。

 

ただし反射効率の良い素材を使用すると、この光損失も改善されますので各社メーカー工夫されています。弊社が扱っている無電極ランプの中にも同じW数、同じランプ光束のものがありますが、形状や反射板によって照度が異なっています。ちなみにNK200反射率94%のドイツ製反射板を採用していますので、効率のよい安定した照射が可能となっています。

 

サークル型、ボール型それぞれの違いと特徴があります。明るさや放熱性に関してはランプ形状だけではなく、反射板や器具セードの形など他の要因も関係ありますので、ランプの形状ではなく各器具の性能を確認して選ばれることをオススメいたします。