一覧に戻る

倉庫ならではの照明の選び方

水俣条約により水銀灯の製造輸出入が禁止になったことでの照明の置換・変更、コロナによる引きこもり需要によるeコマースの急成長による倉庫建築増加、これらが影響し倉庫関連の照明需要が近年増えております。

今回は倉庫ならではの照明の選択方法をご紹介いたします。

 

倉庫の特徴から見る照明選択のポイント

 

倉庫の特長を画像、作業内容、定義それぞれからピックアップいたしました。

画像から分かる倉庫の特徴

グーグルで「倉庫」と画像検索すると以下のような画像が出てきます。

 

この画像から「商品が積み上げられている」「敷地面積が広く天井高は事務所などより高い」 という特徴が分かります。

 

倉庫で行われる作業から分かる倉庫の特徴

倉庫で行われる作業は順番は異なる可能性はありますが以下のような作業があります。

入庫…入荷してきた商品を受け取る、決められた場所に格納、システムへの入力

検品…商品に傷や割れがないか確認、届く予定の商品と間違いがないか確認

流通加工…注文している商品に合わせて軽微な加工、梱包数の調整

ピッキング…出荷する商品を集める

仕分け…出荷数量ごとに分ける

梱包…緩衝材や段ボールを用いて安全に届けられる形にする

出庫…商品の出荷、送り状の作成、システムへの入力

 

このような作業から「商品の保管だけでなく検品などの作業が伴う」ということが分かります。また繁忙期や閑散期で商品の入庫量などが異なるため「商品の移動が行われる」という特徴もわかりました。

 

定義から分かる倉庫の特徴

倉庫業法第二条にて倉庫の定義が記載されています。

第二条 この法律で「倉庫」とは、物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作物又は物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作を施した土地若しくは水面であつて、物品の保管の用に供するものをいう

 

この定義から「品質の劣化はNG」「商品を作り出す場ではなく保管場」という特徴が分かりました。

 

倉庫の特徴から分かる照明選びの5つのポイント

記載しました倉庫の特徴は次の6点です。

①商品が積み上げられている

②敷地面積が広く天井高は事務所などよりは高い

③商品の保管だけでなく検品などの作業が伴う

④商品の移動が行われる

⑤品質の劣化はNG

⑥商品を作り出す場ではなく保管場

 

この特徴を照明にあてはめますと次のようなことが考えられます。

①商品が積み上げられている

→照明の光が商品にあたり影ができます。高く商品を積むような倉庫や自動ラック倉庫は照明による影のでき方に注意が必要です。

 

②敷地面積が広く天井高は事務所などよりは高い

→敷地面積が広いため、光が広がらない照明を選択すると設置台数が多くなりイニシャルコストもランニングコストも高くなります。天井高も高いため照明の選択を誤ると暗くなってしまいます。

 

③商品の保管だけでなく検品などの作業が伴う

→検品は明るさも重要ですが、照明の光の質で見え方が異なります。特に光の質を気にせずに導入するとラベルが反射してよく見えない、太陽光下と倉庫内で色の見え方が異なるなどということが起きます。

 

④商品の移動が行われる

→荷物量に応じて商品の場所を移動させる場合、照明の真下に商品が高く積まれてしまうと照明の威力が遮られ全体的に暗くなってしまいます。商品の移動が考えられる場合は商品を移動させても明るい空間が保たれるような照明を選択する必要があります。

 

⑤品質の劣化はNG

→商品によっては保管期間が長くなる可能性もありますが、その保管の間に商品が劣化しないように対策が必要です。照明が影響する劣化は紫外線の有無で決まります。

 

⑥商品を作り出す場ではなく保管場

→商品を作り出す場ではないため、もちろんコストも重要となります。

 

上記のことから倉庫ならではの照明選択として注目すべきポイントは次の5点です。

①光の広がり方

②光の質

③明るさ

④紫外線の有無

⑤コスト(消費電力と交換)

 

倉庫照明の選択肢「LED vs 無電極ランプ」

水俣条約による水銀灯の置換需要もありますので、水銀灯が使用される天井高さ6mの倉庫と仮定して使用される可能性があるLEDと無電極ランプを「倉庫ならではの照明選択のポイント5点」にあてはめて比較します。

 

光の広がり方

光の広がり方は発光方法の違いが影響します。点発光、面発光という発光方法の違いがあり点発光の方が光の広がりは狭いです。

 

点発光         面発光

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無電極ランプは面発光、LEDは素子一つ一つは点発光となります。ではLEDの方が光が広がらないのか?と思いますがそうではありません。LEDは小さい素子の設置方法や組み合わせ方、レンズやカバーの工夫により光が広がるタイプ(広角仕様)も販売されています。

よって面発光の無電極ランプとLEDを比較したとき、無電極ランプよりも広角仕様のLEDもあれば狭角仕様のLEDもありますので、どちらが良いというのは選択する商品によって異なります。

 

敷地面性が広い倉庫においては広がる照明を使うと設置するトータル台数をほかの照明より減らすことができる可能性があります。台数を削減できると設置工事費の削減、メンテナンスコスト削減につながります。また空間全体が明るくなることで作業場所に制限いらず、死角がなくなり事故を防ぐことができます。

 

光の質

光の質はグレア(眩しさ)で比較します。

先ほどの光の広がり方で紹介したようにLEDの素子一つ一つは点発光です。直進性が強く光束が高いLEDを近い距離で見てしまうと残像が残ったり目の疲れや頭痛が起こる可能性があります。無電極ランプは発光面が近くにあっても眩しくないと光の質をご評価いただくことが多い照明です。

天井に設置されていて発光面が遠い場所にあると眩しさは低減されますが、発光面が近い検査場での照明は注意する必要があります。

検品作業が伴う倉庫、またフォークリフトで荷物をピックアップする際に見上げた時、眩しくない光の質は作業効率アップにもつながります。

 

明るさ

作業をする倉庫はJISの照度基準では200lxが推奨されています。明るさは照度設計という資料で事前にイメージをつかむことができます。照度設計では選択した器具を照らす範囲上で何台設置するかが確認できます。

ただし照度設計資料は空間に何も置いていない状態での照度が表記されています。実際に倉庫を使用するときは荷物や棚が置かれますので、照度設計で200ルクスをクリアしていても荷物や棚の影により全体的に暗く感じるということも少なくありません。

この画像は樹脂棒にLEDと無電極ランプを照射させたときの影の濃さの違いを撮影しています。

左の画像がLED、右の画像が無電極ランプを照射させたときの写真です。この樹脂棒が荷物や棚だった場合、影が濃くでてしまうと全体の照度低下につながります。

また倉庫では最初のラック位置に応じて照明の配置を決めるケースも少なくありません。そういうとき荷物の量の変動でラック位置を動かしたりすると暗くなってしまったということがあります。無電極ランプは商品を配置を変更させても明るさを保つことができます。

 

紫外線の有無

紫外線の波長とされている400nm以下はLEDも無電極ランプも波長として出ていませんので虫が寄りづらい他、紫外線による色褪せも防止します。

商品によっては保管期間が長くなる可能性もあります。その保管期間中商品の劣化が照明の影響で出ないようにするという点でLEDと無電極ランプはクリアしております。

 

コスト(消費電力と交換)

今回はコストとして消費電力と交換費用について比較します。

・消費電力

空間広さ32mX24m、設置高さ6mの倉庫で200lxを実現させるには、それぞれ以下になります。(LEDは選択する商品によってまちまちです)

LED:1台当たりの消費電力70Wの器具を24台設置して200ルクス

→トータル消費電力は70WX24台=1680W

無電極ランプ:1台当たりの消費電力200Wの器具を12台設置して200ルクス

→トータル消費電力は200WX12台=2400W

よって現在はLEDの方が省エネ傾向にあります。ただし設置台数が異なります。設置台数は少ない方がメンテナンス費や設置工事費は安くなります。

 

・交換費用

交換費用については設置台数と照明の寿命が影響します。LEDの寿命は4~6万時間に対して無電極ランプは6万から10万時間の寿命となり、無電極ランプの方が交換周期は長いです。LEDも無電極ランプも不点灯時は器具一体替えとなることが多いので、より寿命が長い照明の方が交換費用は削減できます。

 

まとめ

倉庫は工場などと比べ明るさを必要としないケースが多いため、水銀灯の設置ピッチが広いケースがあります。同じ配置で水銀灯400W相当の照明を選択したとしても光の広がりや照明の点灯方法によって暗く感じたり、明るく感じたりという状況が考えられます。

検品作業が多い倉庫、ほとんど人が出入りしない倉庫、自動倉庫など倉庫の使い方や重要視するポイントによって照明の選択肢は異なります。

弊社ではお客様が重要視されるポイントに応じて照明の選定と提案をさせていただきます。倉庫での実績も多くございますのでぜひご連絡ください。

お問い合わせフォーム

 

個人情報保護方針