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シールトラブル

■発行日:2003年8月1日発行  NO.00-42

シール概論(42)

 

10. シールトラブル(続き)

 

5)シールの不良(続き)

 

金型に生ゴムを入れる準備としての生ゴムの予備成形工程があります。予備成形は種々の方法がありますが、設備としては、押出機、ロール、特別な予備成形機(カッタなどの機能を入れたものなど)があります。問題は、一度決めた製法を変えると最終製品での寸法の変動、特性などが微妙に変わりますので、シールの不良につながることがあります。

 

次の工程は、プレス工程です。予め準備できた予備成形品を金型に入れて、プレス機で加熱、圧力を加えて所定に時間で成形します。お分かりのようにここで、ほぼ最終の形状品ができます。この工程のシール不良の原因となる項目は、3要素は温度、圧力、時間です。その変動はゴム特性、寸法の不良に直結します。その他、如何に金型内から不要な空気を抜き取る手段もあります。

 

最近のプレス機では真空プレス機などこの点に配慮したものが、普及しています。またバンピング(一度加圧した圧力を開放して、空気を抜く手段)もあります。現在の傾向としては、高温、短時間での方向となっていますので、少しの変動でも著しくゴム特性などに影響するために、変動をなくする手段を講じることが肝要です。一部のゴムではこのプレス工程だけでは、十分な加硫度が得られないので、二次加硫工程が次にあります。その代表的なゴムは、フッ素ゴム、シリコーンゴム、HNBR,EPDMなどがあります。 いずれにしても所定のゴム特性や寸法を得るためには適切な加硫度が必要です。シールメーカでは、一度決めた工程を変動させないように努力が必要です。シール不良の原因の大半はこの工程変更に起因することが多いようです。次の工程は仕上げ工程になります。現在の製法ではどうしても余分なゴムを排出するためにこれがばりとして出ます。ばりの仕上げにも種々の方法があります。

 

代表として、冷凍仕上げ、グライダ、打ち抜きなどがあります。これらは製品の形状と数量により使い分けされています。仕上げに方法により、表面のつやに変化することもありますので、むやみな仕上げ方法の変更は当然好ましいことではありません。(ユーザは安定した製品の継続が基本ですので、変化はやはりシール不良の対象となります)あとの工程は、検査工程と包装工程となります。

 

検査工程では、シール不良の原因となることは余りありませんが、検査治工具による製品の傷つけを配慮する必要があります。メーカは包装工程では輸送や保管の点を十分は考慮していますが、時々不具合を生じていることが現実です。次項はシール不良の調査について述べます。(続く)

 

「テスニット」ノンアスベストジョイントシート(その3)
弊社が「DONIT TESNIT」社のノンアスベストジョイントを取扱っています。
BA-R:アラミド繊維+NBR/SBRに補強金網入です。

 

特徴:重荷重用
用途:自動車、薬品、造船
標準シートサイズ
大きさ: 1500×1500mm
厚さ : 0.5,0.8,1.0,1.5,2.0,3.0mm

 

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