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その他のシール製品(ダイアフラム)(1)

■発行日:2016年4月1日発行  NO.03-26

新シール概論(2)その他のシール製品(ダイアフラム)(1)

 

今回から今までにあまり取り上げていないシール関連製品について説明します。

 

1 ダイアフラム
JIS B 0116:パッキン及びガスケット用語では、次の説明があります。

  • ダイアフラムシール:相対運動を行う内外の2部分に取り付けられ、変形して相対運動に対応する膜状シール。ダイアフラムパッキン又は単にダイアフラムともいう。
  • 平形ダイアフラム:平らな板に打抜き又は成形されたダイアフラム
  • さら形ダイアフラム:中心部が外周部の高さよりも押し下げられた形状に成形されたさら形のダイアフラムで、同じ直径の平形ダイアフラムよりも大きな行程で使用される。
  • 転動形ダイアフラム:内外の2部分が相対運動するとき、ダイアフラムが伸びて膜の一方が転がり接触をしながら壁から離れ、他方が壁と転がり接触し始めるような構造に作られたダイアフラム

と定義しています。
なお、ダイアフラムは英語で, Diaphragmですので、よくダイフラムと言われる場合も多く見られますが、やはり用語で決めているダイアフラムが正式名称です。

図1 平形ダイアフラムの例
図1 平形ダイアフラムの例
図2 転動形ダイアフラムの例
図2 転動形ダイアフラムの例

 

以上より分かりますように、運動する部品と静止している部品のすきまにはめられた分離用の薄膜で、これにより2つの領域または室にある液体や気体が相互に混ざり合うのを防いでいる役割をするものです。
また、性能上次の3つに区別されます。

  • 分離するのが、目的で、2つ室の圧力差のないもの。
  • 分離膜として作用する固定用で、ほとんど運動のないもの。
  • 動く部品と静止している部品の間を密封するために使用される運動用で、通常力や圧を伝達する。

 

2 ダイアフラムの材料特性
また、後で説明しますが、ゴム単体の使用と基布と組み合わせたものがあります。ここでは、ゴム材料のみを説明します。

  • 柔軟性であること。初期ヤング率の低い良く伸びるゴムであること。このあたりはシール類とは大きく異なります。
    100%モジュラスの小さいことが基本です。ゴムは硬さ60前後が最適と言われています。

(続く)

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