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その他のシール製品(ダイアフラム)(3)

■発行日:2016年6月1日発行  NO.03-28

新シール概論(2)その他のシール製品(ダイアフラム)(3)

 

3 布入りダイアフラムについて(続き)
もう少し、布について説明します。
布(基布と呼ばれる場合があります)に要求される性能は

  • 伸びが小さくてしかも柔軟性に富むこと。従って、伸び易い布を選びことではなく、なるべく伸びないで、しかも十分に柔軟に変形を許すものであることです。布としては、細番手の単糸数を多くし繊維の平織布の使用が好ましい。
    (ここで、布織り方が出てきましたが、その他、綾織や朱子織があります。)

     

    図3.1 布の織り方(繊維産業構造改善事業協会の資料から)
    図3.1 布の織り方(繊維産業構造改善事業協会の資料から)

     

     

    また、番手という用語が出ましたが、繊維の太さを表す単位で、デニールとも言われます。1デニールとは、長さ9,000mの長さの繊維の質量が1gの時を指します。繊維の世界も相当奥が深い。

  • 耐熱性・耐寒性の良いこと。
    特に低温時における可撓性が良いことが重要となります。
  • 吸水性が少ないこと。

次に布入りダイアフラムで常に話題になるのは、布に入っている箇所です。
一般には、中央に入っているのが普通です。他方、ゴム引布という製品もありますが、ダイアフラムの素材の一つです。
このゴム引布は布の片面、両面又は布と布との間にゴムを薄く被着した製品を言います。
図3.2で示したものが、ダイアフラムに使用されている構造です。
通常は布とゴムは接着剤(プレス加硫時反応する)が使用されますが、接着剤の剛性が大きいと柔軟性が犠牲となりますので、接着剤の選定も注意すべき事項です。

図3.2 ゴム引布の構成例
図3.2 ゴム引布の構成例

 

ゴム引布の製造は、予め布を処理して(紡績時に残っている残留物を除去)所定のゴムを溶剤で糊状にしたものを使い、引布カレンダーでゴムをトッピングで塗布して作られます。その後、ドラムに巻き加硫罐で加硫させます。

図3.3 ゴム引布カレンダー製造
図3.3 ゴム引布カレンダー製造

 

(ゴム引布:日本ゴム協会誌 水本氏の文献を使用しています。)

(続く)

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