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その他のシール製品(メタルOリング)(1)

■発行日:2018年3月1日発行  NO.03-49

新シール概論(2)その他のシール製品(メタルOリング)(1)

 

今まで、主としてゴム樹脂のシール製品を見てきましたけれども、今回から金属ガスケットの製品を紹介したします。

 

メタルOリングについて

 

1.メタルOリングとは
別名メタル中空Oリングと言われることもあります。形状はまさに外観見ればOリングですが、従来のゴムOリングとは異なり、金属製のOリングです。
当然ですが、ゴムのような柔軟性はほとんど(全くと言えるほど)ありません。
かつ、見る限り中が中空になっているか不明です。(後で述べますが、穴が開いている場合には分かるかも知れませんが)
従って、金属製であるので、高温に使えることは明確です。ただし、運動用には不向きであることも理解し易いと思います。
実際には高温高圧などの過酷な条件下でも高度なシール性を発揮するガスケット(シール)です。

 

2.歴史とバックグランドについて
歴史的に見ますと米国の航空機用として始まったと思われます。
現在ではSAE-AS 規格になっていますが、元々MS(Military Standard)で規定されていました。
国内では規格類はありません。

 

その内の代表を記載しておきますと
MS 9205 Gasket-Metal O-ring, .125 Tube×.010Wall Cres
MS 9371 Gasket-Metal O-ring, .035 Tube×.006Wall, Silver Plated
MS 9373 Gasket-Metal O-ring, .062 Tube×.010Wall, Silver Plated などがあります。
お分かりのようにメタルOリングでは
めっきなしとめっき(銀)ありの種類があることになります。
ここで、TubeとはOリングで言う太さに該当して、またWallはメタルOリングのTubeの肉厚になります。またSilver Plated とは銀めっきを表現しています。

 

他方、材料、製造、検査などを網羅している規格(仕様書)が次のものです。
AS7325 Gasket, Metal O-Ring Corrosion and Heat Resistant Steel Procurement Specification for
この規格では使う材料を規定しています。次の2種類です。
AMS 5570 Steel Tubing, Seamless Corrosion and Heat Resistant, 18Cr- 11Ni- 0.40Ti  (SAE30321)
AMS 5576 Steel Tubing, Welded Corrosion and Heat Resistant, 18Cr- 11Ni- 0.40Ti  (SAE30321)
このAMS材料は、国内ではSUS321のステンレス鋼相当となります。
またこの2種類は一方がシームレス(継ぎ目なし)のチューブと他方が、溶接したチューブであることが分かり、使用の限定はしていませんので、どちらかの使用となります。
先ほど紹介しました銀めっきでは次の規格が規定されています。
AMS 2410 Plating, Silver, Nickel Strike, High Bake

(続く)

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