その他のシール製品(メタルOリング)(2)
2018.04.01
■発行日:2018年4月1日発行 NO.03-50
新シール概論(2)その他のシール製品(メタルOリング)(2)
2.歴史とバックグランドについて(続き)
銀めっき厚さは、25~38μmと規定されています。
規格AS7325についてもう少し紹介しておきます。
- 1) 用途(Application 1.2項)
主として、一般的ゴム製Oリングでは使用できない高温条件下での用途 - 2) 製造(Fabrication 3項)
- (1) 成形ではチューブを適切なローリングや成形工程でリング状にする。{解説:Oリングの太さはチューブ径で決まりますが、Oリングの径(メタルOリングはゴム製Oリングと異なり、外径が基本の径となります。)を所定径の矯正パイプのような治具にあたかもスプリングのように巻き上げて成形します。
- (2) 溶接の前段階で、成形したものを切断してその端面を清浄化しておきます。
- (3) 溶接ではフラッシュバット溶接や抵抗溶接により、切断した端面を溶接します。この溶接では、切断した端面がずれないように、かつ過度な内部溶接バリが出ないように管理するように要求されています。
- (4) 溶接部のバリの除去が、チューブ径(太さ)毎に決められた長さ範囲で求められています。
- (5) 最終成形では規定されている外径と太さになるようにすることが要求されています。
(解説:1) の成形でチューブの太さが変形―扁平になりやすいので、所要の太さになるように調整工程となります。) - (6) 清浄化(Cleaning)が要求がされています。洗浄液としては硝酸水溶液が使用されます。
- 3)特性(Properties 3.4項)
圧縮による偏り度合:溶接個所と それ以外の箇所で所定の圧縮(つぶしを与える)したときの圧縮荷重に荷重力の増加度を規定しています。
(解説:溶接時に過度の内側にバリ が発生するとその荷重力が大きくなるので、バリ状態を規制するものです。ただし、最終製品検査では実施できないので、一種のロット検査となる項目です。)
その他、品質や出荷試験項目などきめ細かく規定されています。
3.メタルOリングの特徴
- 1) -270℃の極低温から+700℃までの高温に使用できます。
- 2) 300MPaの超高圧から1.3×10-10Paの超真空までシールします。
- 3) シールに要するスペースが小さくてすむため、コンパクトな設計が可能です。
- 4) 他の金属ガスケットよりも、フランジの締付け力が低減できます。
- 5) フランジ用だけの用途に限定されます。
- 6) 再使用は出来ません。
(続く)
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