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その他のシール製品(メタルOリング)(3)

■発行日:2018年5月1日発行  NO.03-51

新シール概論(2)その他のシール製品(メタルOリング)(3)

 

4.メタルOリングのシール機構
メタルOリングはフランジ溝に装着し、つぶしを与えることによりその反発力で流体をシールします。チューブの種類により流体圧力7MPaを超える高圧の場合は、Oリングの流体側に穴をあけ、中空部分に流体圧を導入し、シール力を増加することにより、超高圧でもシールすることができます。
実際には穴をあけずに高圧に使用すると高圧側の側面に座屈のような現象が発生して変形するために、当然シールすることが出来ないことになります。
図1にメタルOリングのシール機構を示します。(図は三菱電線工業株式会社のものを使用しています。)

図1 メタルOリングのシール機構
図1 メタルOリングのシール機構

 

5.メタルOリングの選定方法
メタルOリングは、温度・流体・圧力などに応じて、材料・表面被覆・形状(穴のあり・なしなど)を正しく選定しなければなりません。

  • 1) 圧力については、超真空から7MPaまでは穴なしで、7MPa以上では穴をあけるタイプを選定することになります。
  • 2) メタルOリングの材料は一般にはSUS321ですが、その他にはSUS316Lとインコネル600があり、選定は次のとおりとなります。
    -270℃から+500℃まではSUS321とSUS316Lの材料で、SUS316Lは流体が耐食性、腐食環境など用途に用います。他方インコネル600は使用温度が-270℃から+700℃までの耐熱性が要求されるものに選定します。
    他方、通常相手面の仕上げ条件にもよりますが、超真空用などでは、メタルOリングの表面に被覆が必要になります。その表面被覆材料により、耐熱性が制限されます。
    表1に表面被覆と耐熱性を示します。
  • 表1 表面被覆と使用温度範囲
    材料 温度範囲(℃)
    -270~+800
    -270~+500
    ニッケル 室温から+700
    インジウム -270~+130
    PTFEコーティング -270~+200

    例えば、インコネル材料であれば、表面被覆材料は、低温側も加味すれば、金のみとなります。

(続く)

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