一覧に戻る

樹脂材料について13

■発行日:2011年11月1日発行  NO.02-39

新シール概論(39)(樹脂材料について)

1.シール用樹脂材料(続き)

6-2)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(続き)SAE規格で規定されているシールリングの材料の特性表で、PTFE以外のPEEK,PI(Polyimide)は破断伸びが少ないことも解ります。
シールリングは下図に示すように通常のピストンリングと同じように使用されています。


シールリングの使用図

 

この場合、リングの形状は単純はリングですが、合口形状で次の4種類が指定されています。

エンドレス:カットのないものです。
(このエンドレスはPTFEのみに適用されます。しかし、装着は工夫が必要です。
リングを加熱して後、均一に伸ばして装着後、強制治具を用いたサイジングが必須となります。実際にはこのため、現在あまり使用されていないのが現状です。)


シールリングの合口の図

 

ストレートカット:言葉どおりに真直ぐにカットを入れたタイプです。
(性能的には漏れの量を管理するのが困難であるタイプ)
ステップタイプ:エンドレスに次ぐ漏れが押さえられる形状であるが、加工が難しい。最近ではこの規格ではないが、更に複雑にしたダブルステップタイプも出ている。
スカーフカット:BURなどではバイアスカットと言われる合口です。
ストレートカットより漏れは少なくなるが、正確な漏れ管理が難しいようです。
このシールリングは自動車のトランスミッション以外にも一般用往復動シールとしても利用できるものです。
元々、PTFEの材料でスタートしましたが、更に性能を上げる目的で、PEEKやPolyimide材料が使用されてきた経過がありそうです。
またこの規格では温度による影響などを配慮した最適な寸法などを決めています。やはりこのように標準化することにより普及し易い土壌を生み出していることは事実です。

次にPEEK材料を使用したバックアップリング(BUR)について注意すべき事項がありますので、説明します。
(続く)

お問い合わせフォーム

 

個人情報保護方針