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特別号(サニタリー用関連)(5)

■発行日:2015年10月1日発行  NO.03-20

新シール概論(1)特別号(サニタリー用関連)(5)

 

  • 3-2 洗浄液に対して耐性があること。(続き)

  • 定期的なメンテナスが必要となります。CIPのように装置のままで洗浄する場合でも常にシール類の寿命を把握して、COPにある時期に変える必要性があります。(過去の実績などを照らし合わせて、余裕のあるメンテナンスが総合的に見て装置の稼働率を上げることとなります。)
    実際には、地道な実験(実液を使用しての)を繰り返しながら、追求することになります。当然、シール以外の装置の総合的評価となります。
    表で示した内容では、松田氏は、酒類・清涼飲料プラントでは、EPDMを標準的に使用している。その他の理由には、コスト面でも有利さであると述べています。
    それでも、柑橘系の香料に含まれるリモネンという油成分により膨潤を起こしやすいために使用不可で、FKMやPTFEに置き換えると実用面での話は分かりやい。

 

4 着香性
食品には、もともと食材自体に芳香成分が含まれています。それが、ゴムに浸透することは避けられない。同一装置で複数の食品を扱うと別製品への香りが移る問題が起こります。
この着香性の評価は難しいものです。

次の評価方法が、あります。
(1) 官能試験:「におい」を専門にする嗅ぎ手による試験方法です。ある経験と技量が問われる世界です。
(2) 定性分析:「におい」の客観的な評価のためには「におい」を数値化することが不可欠となります。そのような計測器が誕生しています。
「類似性」は、基準ガスに対して、試験試料の「におい」がどの程度似ているかを表します。
「臭気寄与値」は、人間の鼻で感じる強さを表します。
島津製作所の分析計測器のFF-2Aと言うものがあります。同社アプリケーションニュースNo.F33で示されたものを次に示します。
タイトル:ゴムパッキンの着香性評価で市販のオレンジジュース(果汁30%)で80℃×24時間浸漬後30分間流水による洗浄後の結果です。

図4.1 ゴムパッキン着香の類似度の比較
図4.1 ゴムパッキン着香の類似度の比較

ここで示すAFLASは旭硝子社の一種のフッ素ゴムの仲間で正式にはFEPM(JIS K 6397)です。

(続く)

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