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特別号(サニタリー用関連)(6)

■発行日:2015年11月1日発行  NO.03-21

新シール概論(1)特別号(サニタリー用関連)(6)

 

4 着香性(続き)

次に示すのが、「臭気寄与値」です。

図4.2 ゴムパッキン着香の臭気寄与率の比較
図4.2 ゴムパッキン着香の臭気寄与率の比較

総合的な判断は、いずれも小さい値に収斂することが好ましいことになり、AFLAS着香性が少なかったとの結果となっています。しかし、当然ながら、対象食品により、異なることは言うまでもありません。
やはり、このような定性分析が大きく寄与して、問題点を解決できることは素晴らしいことです。
(データはすべて島津製作所のものを使用しました)

以前、ゴム自体の「におい」が問題となった場合がありましたゴム自体にも独特の「におい」があります。
その時の解決策として、高温水で煮沸して、処理したことがありました。(ゴム材料はEPDMでした。)

PTFEやFFKMは、この着香性の面では優れているようで、シール製品では、ゴムを薄いPTFEシートで覆った製品も利用されています。

 

5 低圧縮ひずみ
シール材料として、既に今まで述べておりますが、この分野でもシールの反発力の低下は寿命に影響しますので、低圧縮ひずみであることが、必須となります。
ご存知のように、ゴムは使用される温度の影響が、大きいので、注意が必要です。ただし、前にも述べましたCIPなどでの処理が高温で実施される場合がありますが、長時間ではないので、基本的は大きな要素ではなく、実際に常時処理される装置の使用温度となります。

 

6 抗菌性について
ある時期にブームになったこともありますが、その抗菌性です。シール用ゴムに抗菌性を持たせるような材料が開発されています。
抗菌性についてのJIS規格が発行されています。
JIS Z 2801 抗菌性加工製品-抗菌性試験方法-抗菌性効果(2007)
この規格では、抗菌の定義は「製品における細菌の増殖を抑制する状態」としています。
なお、抗菌性の効果は「抗菌活性値2.0以上のとき、抗菌加工製品が抗菌効果がると判断する」となっています。抗菌活性値とは「抗菌加工製品と無加工製品とにおける細菌を接種培養後の生菌数の対数値の差を示す値」です。

 

(続く)

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