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密封理論について(3)

■発行日:2013年6月1日発行  NO.02-58

新シール概論(58)(密封理論について)

シールの密封理論について(続き)

3 運動用シールの密封理論

弾性流体潤滑理論(Elastohydrodynamic lubrication =EHD潤滑)が現在の基本となっています。ここではその内容は、専門書に譲りまして、その導き方と油膜の厚さを考慮した考え方で進めていきます。
油膜の厚さは逆EHD潤滑により、計算できます。

図3.1 ロッドシールの接触圧力分布

図3.1 ロッドシールの接触圧力分布

 

図では今迄に述べてきましたシールによる接触圧力が発生することはお分かりですが、逆にそのロッドとシール間の油膜の存在があります。(接触圧力とか接触応力とか混同していますが、同じ事象を言っています。シールから相手面に圧力を与えるが、逆にシールの内部では応力を受けることとなるためです。ここで、油膜にもシールがロッドを押している状態ですので、ロッドに掛かる接触圧力と同じ形態で油膜にも圧力が加わると考えます。(図3.1の下側に書いています流体圧力分布図に相当します。)

(1)式

(1)式説明

図3.2押し行程での流体圧力及び速度 分布(流体とは油膜のことです)

図3.2押し行程での流体圧力及び速度
分布(流体とは油膜のことです)

 

押し行程とはロッドが外部へ出ていくことを言います。戻り行程は逆にロッドがシリンダ内部に戻ることを言います。
(1)式を微分しますと(2)式になります。

(2)式

(続く)

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