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密封理論について(4)

■発行日:2013年7月1日発行  NO.02-59

新シール概論(59)(密封理論について)

シールの密封理論について(続き)

3 運動用シールの密封理論(続き)

図3.2でAの変曲点での油膜厚さhAは直接計算できます。
d2p/dx2 = 0 (A点にて)
 従って

(3)式

次に、A点でdh/dx≠0であるので、[  ]内が0となるので、WA=(dp/dx)A とすると
A点の油膜厚さは

(4)式

となります。押し行程での油膜厚さは、(1)式にこれらの結果を代入すると最大圧力の点におけるh0*は次式となります。

(5)式

図3.2でdp/dx=0の点で、u0は0となる。
大気圧側では、油膜厚さはh0 はh0*の半分となります。

(6)式

すなわち、押し行程ではこのh0の油膜が出ていくことになります。

図3.4 最大勾配の漏れとの対比

図3.4 最大勾配の漏れとの対比

 

図ではトロッコ一杯に入っている流体は勾配が大きいと多くの流体が漏れ出すことを例えています。勾配を大きくすることが出ていく油膜厚さが薄くなると言えます。

他方のロッドの引き行程でも同様な計算ができます。

図3.4 最大勾配の漏れとの対比

図3.5 引き行程における速度と油膜圧力分布

(7)式

(7)式においては

hi: 引き行程の油膜厚さ
η:油の粘性係数
ui:ロッドの速度
WE:(dp/dx)圧力勾配

です。

(続く)

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