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有限要素法について(1)

■発行日: 2012年10月1日発行  NO.02-50

新シール概論(50)(有限要素法について)

1.まえがき

シールの設計に、最近有限要素法を利用することが多くなってきています。

一種のCADなどと比較しても相当難しい分野であることは間違いありません。良いソフトの誕生が多くなり、シール設計担当者でも勉強して利用できるようになっているのが、現状でしょう。

シールメーカのカタログでもそれらを使用して解析をしているとか、設計に利用しているとのことなどの記述が多く見られるようになりました。

筆者も今更、出来るようになりたいとの意欲はありますが、今の年齢では,ソフトの購入や勉強することは無理と思っています。

2.有限要素法とは

有限要素法(Finite Element Method,略してFEMと呼ばれることが多い)、またはそれを使って解析することからFEA有限要素解析(Finite Element Analysis)とは、FEMという数値解析手法(理論)を用いた技術計算(Engineering Analysis)のことです。

すなわち、有限要素法の理論体系に基づき開発されたソフトウェア(FEMプログラム)を用いて、コンピュータ上で様々な工学問題の数値解析を実施することです。

数値解析の手法にはいくつかありますが、FEMはその優れた特長のために、現在様々な工学分野で最も広く利用されており、市販のソフトウェアも数多く出回っています。

歴史的に見ますと、1950年代に最初に航空構造力学の分野で考案され、その後多くの研究者によって改良・育成されてきた数値解析手法です。当初は、航空機や大型船舶などの重要工業製品の設計に適用されるだけでしたが、ハード・ソフトの進歩とともに一般の製品開発にも利用されるようになり、1970年代以降、工学解析手法の中核技術として産業界に急速に普及しました。

しかし、金属などの場合と異なり、ゴム製品などの弾性体に関しては、設定条件の困難性も伴い、相当な時間を要したと聞いています。

実際には複雑な形状・性質を持つ物体を,単純な形状・性質の小部分(要素)に分割し,その1つ1つの要素の特性を,数学的な方程式を用いて近似的に表現した後,この単純な方程式を組み合わせ、すべての方程式が成立する解を求めることによって,全体の挙動を予測しようとするものです。

上図は室蘭工業大学機械システム工学科の境教授の資料を引用しています。

(続く)

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