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有限要素法について(2)

■発行日: 2012年11月1日発行  NO.02-51

新シール概論(51)(有限要素法について)

2.有限要素法とは(続き)

数値計算について

物理からに流体力学、プログラミング、メッシュ作成などの幅広い知識の総合力となります。
流体力学で導出された連続の式やストークスなどの微分方程式を離散化という行列式に分解する方法です。有限要素法には、節点や要素、また形状関数や内挿関数といった考え方も必要です。また解析領域に界面を扱うためにグリーン・ガウスの定理やラプラスの式といった公式も使用します。

プログラミング

プログラミングにはフォートランなどが使用されます。

3.要素の内容(代表的のもの)

  1. 材料物性値:ヤング率、ポアソン比
  2. 要素分割に関するデータ(よく言われるメッシュ)
  3. 解析対象の寸法、形状に関するデータ
  4. 荷重条件
  5. 拘束条件

などをデータとしてインプットします。
いずれにしても難しいのは実際です。

しかし、実際には勉強して、実習を繰り返すことにより、より有効な手法となることも事実です。

4.シールにおける利用方法

1)シールデザイン

従来のシールデザインでの手法は、次に示すようなやり方で行ってきました。客先からの仕様を得ますと、従来の手法は次図に書いていますように、過去の経験や実験などから得ているデータ類から大凡の設計を行います。

ただし、決めにくい要素(例えば、リップシールならば張り代や、その部分の形状などが仕様に合致するか否かの場合にはその要素を幾通りかを含めて行います。(その分、金型作成が複数になる場合もあります)

設計→金型製作→サンプル作成→機能試験評価→合否判定(仕様に対して)→(合格)→開発が成功-商品化、設計→金型製作→サンプル作成→機能試験評価→合否判定(仕様に対して)→(不合格)→変更→設計...

当然、金型以外にもゴム材料を含めて検討する場合もありますので、より時間とコストが掛かります。開発に時間が掛かる要素となっています。

これらを如何に短絡して行うかが設計担当者の腕の見せ所です。(続く)

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