オイルシール(2)
2020.01.01
■発行日: 2021年1月1日発行 No.03-83
もう少し第1部の内容を見ていきますと設計の詳細が分かります。
1)軸の表面仕上げは
0.1~0.32μmRaとなっています。
2)軸の表面状態は、傷及び機械加工によって生じるリード目がないことと、仕上げは送りをかけないプランジ研削が望ましいとなっています。
3)軸の表面硬さは30HRC以上を推奨しています。
図4 軸端の面取り(JIS規格より)
なお、図4のd2は規格に規定されています(d1の大きさにより異なります)。
4)ハウジングの穴径の公差等級はJIS B 0401-2のH8となっています。
5)ハウジング穴の表面粗さは1.6~3.2μmRaですが、外周金属オイルシールを使用する場合は、気密性をよくするために表面粗さを0.4μmRa程度まで小さくすることが望ましいとなっています。
図5 ハウジングの寸法(JIS規格より)
図5の詳細はJISを参照していください。(個々に規定しています。)
なお、個々のどのタイプにオイルシールを使用するかは、メーカのカタログなどを参照ください。
特にNOK社の技術資料はきめ細かい内容を記載しているので、一度は是非見て設計や選択するためにご覧ください。
前に使用圧力の制限を記載したが、回転の周速はこのJIS規格には規定がないが、一般的には16m/sが最大であるとカタログに記載しています。
またリップ材料の選定には、通常ゴムであるが、次の選定基準がベースです。
・密封対象油に耐性があること
・環境温度に対し耐性があること
・耐摩耗性に優れていること
・耐オゾン性に優れていること
ゴム材料では、主にニトリルゴム(NBR),アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ)やふっ素ゴム(FKM)があります。これらは適材適所の使用となります
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