一覧に戻る

新シール概論(2)ラビリンスシール(2)

■発行日: 2021年10月1日発行 No.03-91

圧縮性のない流体には適用できないはずですが、揚程や回転数が大きく、軸径の大きい大形ポンプ、水車などの流体の漏れを止めるには有効です。これは流体の流動抵抗を大きくすることで、漏れを少なくしています。

2)ラビリンスのシール効果を高めるためには

① フィンの先端をできるだけ鋭利にし、すき間を極力小さくする。表1にラビリンスのすきまの標準を示します。

 

表1 ラビリンスのすきま(ガス体の場合)

径(㎜) 直径すきま

(1/100㎜)

径(㎜) 直径すきま

(1/100㎜)

50~80 10.5~19.5 360~500 27~43.5
80~120 13~23 500~650 30~50
120~180 16~27.6 650~800 33~56
180~260 19~32.2 800以上 35~60
260~360 23~38

 

②フィンの数をできるだけ多くし、流動抵抗の大きい形状にする。 3)設計上の注意事項 (1)漏れると危険な流体の場合  ラビリンスシールは漏れを完全に止めることができないので、危険性のある流体は最終段で何らかの処置が必要になります。 (2)フィン材料に関する注意  回転中フィン部が接触し易いので、仮に接触しても焼付くことの無いような軟質金属製のフィンにする。また腐食されない材料にする。図3(前号参照)のフィンの材料は次のようになっています。 ・(a)は銅板、リン青銅板、黄銅板、ニッケル板などを図のように合金に固着させたもの ・(b),(c)はリン青銅板、黄銅板などを合金にはめ込み、合金をコーキングして固着させたもの ・(d),(e)は合金にホワイトメタルを鋳込み、適当な形のフィンを削り出したもの ・(f).(g)は黄銅材、青銅鋳物、鉛青銅鋳物などを適当な形のフィンを削り出したもの 空気機械に使用される標準材料を表2に示します。

 

表2 空気機械に使用するラビリンス材料(山田「Journal of the J.S.M.E.」Vol.66 No.537)

材質 名称 機種別用途 使用限界温度℃
Bs 黄銅帯金 一般空気用,特殊ガスを除くガス送風機 -100~200
PBP りん青銅帯金 蒸気送風機,焼結送風機,高炉送風機 -100~250
硬質合成ゴム 耐食用,低圧送風機用 60以下
PTFE テフロン 耐食用 -100~60
Ni帯金 ガス送風機 -200~700
WJ9 ホワイトメタル 金属間接触火花を避けたいガスの場合 150以下
HPb 硬鉛 金属間接触火花を避けたいガスの場合 150以下

 

3)高温の場合の注意
 熱によりひずみを起こさず、軸及び固定部の膨張差による相互の位置が変わっても、無理な接触を起こさないような構造にすること。
4)すき間に関する注意
 表1に示したラビリンスのすき間は、できるかぎり小さい方がよいが、軸受のクリアンスによる軸心の移動、加工誤差、運動中の膨張などにより、回転体とラビリンスが接触することのないように決めることが必要です。

FAX通信3年10月

お問い合わせフォーム

 

個人情報保護方針