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新シール概論(2)ウイルソンシール

■発行日:2022年4月1日発行

 昔からこのウイルソンシールとして知られていましたが、詳しい内容は今一つ不明でした。最近ではカタログにも記載されていますので、そのカタログに沿って紹介します。株式会社バルカー社のハンドブック(技術編、寸法編)は出典となります。

そもそもこのウイルソンシールはウィルソンシールとして記載される場合がありますが、ここでは大文字のイを採用しています。

 Robert Wilson氏(米国)で1940年代に発表された技術資料がもとになっているようです。(詳細は不明ですが)

 回転機器のシールには通常、グランドパッキン、メカニカルシール及びオイルシールなどが主に使用されています。

 このウイルソンシールはふっ素ゴムFKM)シールリップと金属アダプター、スペーサを組合わせたもので、用途は軸ブレの大きい回転軸用真空シールとして使用されます。

 

1 ウイルソンシールの構造(1)

  

 

2 ウイルソンシールの構造(2

(バルカー社資料から)

 

3 一段のシールの例(原典らしい)

2に示すゴムリップが基本的にウイルソンシールです。(4つのゴムリップが見えます)

 ウイルソンシールは、グランドパッキンでは満足できなかた低速、真空の攪拌機の軸シールとして開発されたシール材で、軸振れも吸収可能です。形式には、真空用、真空加圧用、加圧用があります。

 

特徴

  • 圧力は33×10-4Pa0.49MPa

PV値は0.5MPam/sMax

  • 軸振れは最大2mm
  • リップシール材料は、FKMが標準であり、120℃まで使用できます。高温仕様(150℃以上)にはウオータージャケットなどのアクセサリーを付けて冷却することにより使用できます。
  • メカニカルシールとして比較して安価です。
  • 潤滑用グリースの併用が必要です。

 なお、このリップシールはその形に成形したものや、円盤を作成して利用することもあります。通常は成形加工です。

 

FAX通信4年4月

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