その他のシール製品(バネ入り樹脂Uシール)

最終更新日: 2023/11

1. バネ入り樹脂Uシールとは
断面U字状の樹脂製(PTFE)リングと耐屈曲疲労性に優れたU字状ステンレス鋼(SUS)製バネを組合せたシールで、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、耐摩耗性などに優れており、往復動用、固定用のいずれにも使用できます。ゴム製シールが使用できないような厳しい条件に適したシールで、清浄性、耐摩擦、長寿命などの特性が要求される機器に使用できます。
このシールは密封流体の圧力に応じて緊迫力が変わる自封性シールであり、この構成より真空から高圧までの広い圧力範囲で優れたシール性を発揮します。
(参考資料として三菱電線工業株式会社のカタログを用いました。)


図1 バネ入り樹脂Uシールの構造

 

図1では左右で圧縮された状態で、バネの反発力でシールするものです。

 

2. バネ入り樹脂Uシールの特徴

  • 1)ゴム製シールが使用できない各種の薬品、有機溶剤などにも使用可能です。
  • 2)-200℃から+250℃までの広い温度範囲で使用できます。
  • 3)約14MPaまでの広い圧力範囲で使用できます。
  • 4)固定用および低速の運動用シールとして使用できます。
  • 5)メーカ各社によりますが、JIS B 2401-2用溝で使用できるものから、多くのサイズが標準化されています。
  • 6)半導体機器等清浄性を必要とする用途にも使用できます。
  • 7)潤滑が期待できないガスや蒸気のシールとして使用できます。
  • 8)一方向性のシールですので、図1では上側からの圧力で使用します。

 

3. バネ入り樹脂Uシールの取り扱い

  • 1)フランジ用以外の用途では、原則として分割溝方式にしてください。
    (組合せシールなので無理な引き伸ばしや、折り曲げをすると破損する恐れがあります。)
  • 2)メインのシール箇所はPTFE のU字状のリップ先端ですので、取り扱いに注意してください。
  • 3)一方向性のシールですので、取り付け方向を間違えでください。
  • 4)溝仕上げは通常のOリングと同様に運動用と固定用では区別してください。
  • 5)医療機器用途には使用できませんので、注意ください。

 

4. その他
用途によっては、バネはフィンガータイプやコイルバネタイプが使用できます。

 

 

5. 実際の使用例を見ていきましょう。

  • 1)ピストン用、ロッド用での円筒面での使われ方を図2に示します。

    図2 ピストン用とロッド用使用例

     

  • 2)平面用(フランジ用)の例を図3図4に示します。
    図3 内圧用途の平面用の使用例

     


    図4 外圧用途の平面用の使用例

     

6. 構造の違いについて
4.の項で、バネの違いを説明しましたが、図5に示しますようにバネにはフィンガ方式やコイル方式などがあります。


図5 構造の違いの例

 

図6 スプリングの形式の種類

 

詳細については、各社のカタログなどを参照ください。なお、すべてを標準としていない場合もありますので、注意ください。

 

7. PTFEの材料について
Uシールの形状に加工されている材料のメインはPTFEですが、使われる用途により、各種の充填材入りのものが、使用されています。
清浄性の用途では、純PTFEが使われますが、耐摩耗性を重視した場合には、ブロンズ入りPTFEや水などの潤滑性に乏しい場合にはカーボン繊維入りなどもあります。大半のカタログには、詳しく記載されています。
PTFE以外にも超高分子量PEなども使用されているものはあります。

 

8. 表面粗さのついて
相手面の表面粗さもこのシールには重要です。基本は運動用で相手面粗さはRa0.4以上に固定面ではRa0.8~1.6程度にすることが必要です。いずれしても使用流体や用途別により、場合によってはより以上の粗さを良くすることが要求されます。

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