防水型蛍光灯の交換におすすめのLED照明とは?

最終更新日: 公開日: 2025/07

蛍光灯とは?


蛍光灯とは、内部に蛍光物質を塗布したガラス管と両端の電極によって構成され、電極間で放電を行うことで発光する照明器具です。
この放電によってランプ内の水銀ガスが蒸発し、紫外線を放出します。この紫外線が蛍光物質と反応することで、目に見える可視光に変換されます。
蛍光灯には水銀が不可欠であり、発光のために重要な役割を果たします。

何より、長年にわたりオフィスや工場などを支えてきた定番の照明器具です。
直管型、電球型、コンパクト型など様々な形状があり、コスト面や取扱いのしやすさから多くの場所で使用されてきました。
まず簡単に蛍光灯の発光原理をご紹介します。

蛍光灯が生産終了になる2027年問題とは?


蛍光灯の2027年問題をご存じでしょうか。
2027年問題とは、蛍光灯の製造と輸出入が2027末までに禁止される問題です。
これは2023年10月末にスイスのジュネーブで開催された水俣条約の第5回締約国会議で採択されました。
この国際条約では、水銀の環境負荷を減らすため、水銀を含む製品の製造・輸出入を段階的に制限していく方針が定められています。その対象に、水銀を使用する蛍光灯も含まれているのです。
環境省『一般照明用の蛍光ランプに関する規制』(一部抜粋)では、以下のように説明されています。

水銀添加製品である一般照明用の蛍光ランプ(住宅、事務所、工場、店舗、作業現場、街路灯等で一般的に使用されている蛍光ランプ)を、その種類に応じて、2025年末から2027年末までに製造及び輸出入を段階的に廃止することが決定されました。

蛍光ランプの種類により製造・輸出入の禁止時期は異なります。2026年1月以降、種類ごとに段階的に禁止になります。
ここで注意したいのは、2027年以降すぐに蛍光灯が使えなくなるわけではないという点です。既に設置されている器具が突然使えなくなることはありません。在庫品の販売も可能です。
しかし、製造が終われば当然交換用の蛍光灯が手に入りづらなっていくのは間違いありません。現在でもすでに一部の型番で入手が困難になってきているケースもあります。そのため、計画的な切り替えを推奨されています。
さらに詳しい情報をお求めの際は、同じく環境省から案内されている以下の資料、『一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入は2027年までに廃止されます』を参照ください。

廃棄方法・捨て方

前項で蛍光灯の発光原理を説明しましたが、有害物質である「水銀」が含まれているため正しく処分しないと環境汚染や健康被害につながる恐れがあります。蛍光灯や水銀灯などのHIDランプは水銀使用製品として廃棄処理する必要があります。
廃棄方法は排出者ごとに異なります。

オフィスや工場から出た蛍光灯は産業廃棄物として処理することが義務付けられているため産業廃棄物処理の許可を取得している専門業者に委託する必要があります。
家庭から排出する場合は、各自治体が処理する一般廃棄物になります。
居住する地域の自治体が指示する方法で処理してください。

また、蛍光灯を処分する際は割らないように注意しなければいけません。何かしらの原因で蛍光灯が割れると気化した水銀が空気中に拡散し吸い込んでしまう恐れがあるため廃棄する際は割らないように注意が必要です。

蛍光灯などの水銀使用している照明には上記写真のような水銀使用マークを表示してます。
ランプ本体またはパッケージ等に表示されており、2016年末頃から一部の品種で表示を開始しています。

蛍光灯から置き換えるときのチェックポイント

ここからは、直管型蛍光灯を置き換える時のチェックポイントをご紹介します。
直管型蛍光灯をLEDなど新しい照明に置き換える際、ただ同じ形を選べばいいというわけではありません。
用途使用環境によって最適な照明は異なり、選定・施工を誤ると重大な事故が発生するリスクが高まります。
用途や使用環境を考慮して最適なLED照明を選びましょう。

明るさ

照明器具の明るさは、全光束(㏐:ルーメン)で表記され、数字が高いほど明るくなります。
ルーメン値は製品毎に異なるため、W数が同じでもルーメン値が同じ値になるとは限りません。
まずは、カタログや仕様書などでこのルーメン値を確認することで、器具の明るさを比較することができます。

ただし、照明器具が放つ光の総量を表す全光束(㏐)実際に作業面を照らす明るさを示す照度(ルクス:㏓)は異なる指標です。
JIS(日本工業規格)では、作業の種類ごとに細かく照度基準が決められています。
作業面の照度は、器具の設置高さや設置位置などによって変わってきます。
作業場所で十分な明るさを確保するためには、ルーメン値だけで判断するのではなく設置状況を考慮した照度シミュレーションを行って確認することが大切です。

省エネ

LED照明は一般的に消費電力が少なく長寿命ですが、同じW数のLEDでも製品毎に省エネ性能は異なります。
省エネ性能は、ランプ効率という指標によって確認することができます。
これは、ランプの全光束をランプの消費電力で割った値のことで、単位はルーメン毎ワット[㏐/W]で表します。
この値が高い製品ほど、少ない消費電力で明るさを確保することができ省エネになります。

取り付け方法

直管型蛍光灯をLED照明に置き換える際に、工事不要のLEDランプなら交換も簡単だと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、工事不要のLEDランプを使用することには様々なリスクが潜んでいます。
安全性の観点から、器具ごとの交換することをおすすめいたします。
【参考・引用元】
一般社団法人日本照明工業会「蛍光灯器具をLED化する際はまるごと照明器具交換を推奨します」

紫外線に強いか(耐候性)

屋外や半屋外などでは、照明器具が紫外線にさらされることがあります。
耐候性の低いプラスチックを使用していると、黄変・劣化し、破損の発生や照度の低下につながることがあります。
屋外や半屋外で使用する際には、耐候性素材を使用したLED照明を選定する必要があります。

埃・塵に触れるか(防塵性能)

粉塵が舞いやすい場所では防塵性能が欠かせません。
砂埃や粉塵にさらされる場所で防塵性能の低い器具を使用すると、砂埃や粉塵が器具内に入り込み、カバーの内側に溜まることによる光量の低下や、熱がこもり器具寿命が縮み、故障の原因になるといったトラブルが発生します。
最悪の場合、漏電やショート、火災といった重大事故につながります。
防塵性能はIP規格の数値で表されます。

防塵等級
等級 人体・固形物体に対する保護
保護の程度 テスト方法
IP0□ 保護なし テストなし
IP1□ 手の接近からの保護 直径50㎜以上の固形物体(手など)が内部に侵入しない
IP2□ 指の接近からの保護 直径12㎜以上の固形物体(指など)が内部に侵入しない
IP3□ 工具の先端からの保護 直径2.5㎜以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しない
IP4□ ワイヤーなどからの保護 直径1.0㎜以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない
IP5□ 粉塵からの保護 機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の料の粉塵が内部に侵入しない
IP6□ 完全な防塵構造 粉塵の侵入が完全に防護されている

水がかかるか(防水性能)

水や湿気が直接的・間接的に器具に触れる場所では、防水性能も必要となります。
防水性能の低い器具を使用し、器具内に雨水などが浸入すると電気回路のショートし、故障の原因となるといったトラブルが発生します。
防水性能に関してもIP規格の数値で表されます。

防水等級
等級 水の侵入に対する保護
保護の程度 テスト方法
IP□0 水の浸入に対して特には保護されていない テストなし
IP□1 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない 200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分
IP□2 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない 200mmの高さより15°の範囲 3〜5mm/分の水滴、10分
IP□3 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない 200mmの高さより60°の範囲 10ℓ/分の放水、10分
IP□4 いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない 200mmの高さより60°の範囲 10ℓ/分の放水、10分
IP□5 いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない 3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水、3分間
IP□6 いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない 3mの距離から全方向に100ℓ/分・100kpaの噴流水、3分間
IP□7 規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない 水面下・15㎝〜1m、30分間
IP□8 水面下での使用が可能 メーカーと機器の使用者間の 取り決めによる

蛍光灯に防水性が求められる場所

かねてからあらゆる場所で使用されていた蛍光灯ですが、防水性が求められる代表的な場所をご紹介します。

軒下

軒下照明は、完全な屋外ではないものの雨風に曝されるため、濡れても問題なく使用できる防水性が必要となります。
通常の蛍光灯では、雨風の吹き込みや湿気により、漏電や故障のリスクがあります。

冷蔵庫

大型冷蔵庫/冷凍庫や冷蔵ショーケース、冷蔵倉庫など低温に保たれる場所は、外気温との差で結露が発生しやすい環境のため、防水性が必要です。
特に、外気に近い場所は知らない間に結露が発生しやすいです。
庫内の湿度が高い場合は、気温差が小さくても結露が発生する可能性があります。
また、低温環境でも問題なく点灯できるか、耐寒性も考慮する必要があります。

食品工場

食品工場衛生管理が求められるため、清掃・洗浄が頻繁に行われます。
水や洗剤が飛び散っても問題ないよう、水が入らない設計となっている防水性能があると清掃・洗浄が行いやすく管理しやすいです。

厨房

厨房は、湯気や油で室内の湿度が高くなりがちです。
防水性能のある照明を使用することで、高い湿度環境でも安心して使用できます。
厨房の照明に防水性能があれば、清掃・洗浄もしやすいため、衛生管理も行いやすいです。

マンション開放廊下

半屋外となる開放廊下は、雨風が吹き込み、照明も濡れてしまいます。
防水性があれば気候に左右されることなく、安全に使用できます。
防犯対策や広範囲な漏電防止のためにも防水性能のある照明を使用しましょう。

非常階段

屋外に設置されていることが多い非常階段は、気候に影響を受けにくい防水性が必要となります。
非常時の照度低下や不点灯、漏電防止のためにも、防水性が必要となります。

駐輪場

雨風に曝される屋外駐車場に限らず、風通しの悪い軒下駐輪場・地下駐輪場でも、湿度が高くなるため、駐輪場照明には防水性が必要となります。

地下

地下は風通しが悪く、湿気が発生しやすい環境です。
また、経年劣化による地上からの漏水の可能性もあるため、防水性能が必要となります。

蛍光灯からの置き換えにおすすめのLEDべースライト

ベースライト「WPL-822-5200」

特徴① 光が広がる ~設置台数の削減が可能~

LEDベースライトWPL-822-5200は特殊レンズを使用しているため、光が拡がりやすく全体的な明るさの確保が可能です。
光が広がることにより蛍光灯・一般的なベースライトより台数削減が可能ですので、イニシャルコスト・ランニングコストを抑えることができます。

LEDは指向性が強い
一般的なLED照明イメージ
コタニのべースライトは光が拡がる
WPLは光が拡がる

以下の図は、照度約150lxのためには蛍光灯6台が必要なところ、LEDベースライトWPL-822-5200は4台に灯数削減できたシミュレーションです。

蛍光灯32W×6台LEDベースライトWPL×4台に置き換え
広さ→5x10m 設置高さ→4m
蛍光灯2灯用(32W)
LEDベースライトWPL(40W)

蛍光灯32W2灯用は約69Wの消費電力(安定器込み)に対し、WPL-822-5200は1台40Wの低電力製品です。
1台当たりの消費電力が少ないかつ、光が広がり台数を削減できるWPL-822-5200は省エネに貢献できます。

尚、「高スペックな分、器具自体の単価を高価格なのでは?」に思われるかもしれませんが、お客様より「他社品と同じくらいの価格だから、メリットが大きかった。」との嬉しいお声をいただいております。

特徴② 屋外・多湿下で使用可能 ~環境による短寿命化を防ぐ~

LEDベースライトWPLはIP65相当の防塵・防水性能のため、ほこりがひどく舞う場所でも使用可能です。
雨や湿度に曝される箇所でもご使用いただけます。

他社製品の防塵・防水性能はIP23が大半であることに対して、IP65をクリアしているベースライトは非常に少なく、以下の試験にも耐える性能です。

防塵等級
等級 人体・固形物体に対する保護
保護の程度 テスト方法
IP6□ 完全な防塵構造 粉塵の侵入が完全に防護されている
防水等級
等級 水の侵入に対する保護
保護の程度 テスト方法
IP□5
(防噴流型)
いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない 3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水、3分間

用途

・軒下
・冷蔵倉庫
駐車場
食品工場
・厨房
・マンション開放廊下
牛舎

製品ページ

弊社が提供するサービス

・デモ機お貸し出し
・照度シミュレーションの作成

最後に

これまで生活の当たり前であった蛍光灯が生産終了する衝撃的なニュースですが、2025年現在では意外にもまだまだ知名度の低いニュースのように感じます。
まだ在庫があることは安心材料の1つですが、先々を見越して早めに更新先の照明を検討するに越したことはありません。
是非各種サービスを活用し、計画的な後継の照明を検討ください。

関連ページ

 

お問い合わせフォーム

 

個人情報保護方針