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樹脂材料について2

■発行日:2009年12月1日発行  NO.02-16

新シール概論(16)

 

1.シール用樹脂材料

3)材料の種類
PTFEの材料には、何も充填剤を入れないもの(通常純PTFEと呼ばれている)と種々の特性を生かすための充填剤を入れたものとがあります。 シール材料として使用する場合は、次の考え方で、使い分けしています。 純PTFEは、基本的には、摩擦抵抗が一番低いこと重視した用途に向いています。 他方、充填剤入りPTFEは、圧縮特性(変形、クリープが少ない)、また摩耗特性が要求される用途に使用されています。 これら充填剤には、次のものがあります。

  • ガラスファイバー
  • カーボンファイバー
  • グラファイト
  • 二硫化モリブデン
  • ブロンズ粉末
  • 特殊有機材

などがあります。その他、各社による特殊な充填剤が入っていますが、ノウハウのために公開されない場合が多いようです。
これら代表の充填剤は、いずれも成形後の焼成温度に耐えられる粉末やファイバー類が中心となっています。
入れる重量パーセントも5%から60%まで種々です。また種々の組合せも可能ですので、数多くの材料がある訳です。
これら材料の選定方法は、メーカの推奨を使用するのが、一般です。
なお、これら充填剤はシール部材として使用する場合には、相手面が軟金属(アルミ、銅合金など)では、摩耗させることが多いので、注意すべきである。(特にガラスファイバーやカーボンファイバーなど)

 

先ほどにも書きましたように純PTFEは圧力が掛かっている状態で、温度が上昇しなくてもその圧力だけで変形する現象があります。これが、クリープと名称で言われるものです。これを上手く利用しているシール部材に、バックアップリングがあります。
バックアップリングはOリングなどのシールがすきまにはみ出るのを防止するものですが、PTFE製のバックアップリングを使用すれば、このクリープの発生で、すきまを埋めてくれる材料の特性を上手に使用した製品です。
この状態を下図に示します。
PTFEバックアップリング
B方向に広がりことにより、すきまを埋めてくれます。(上が圧力の掛かる前で、茶色が変形した状態です) 続く

 

「DONIT TESNIT」新製品
GMD:アラミド繊維+グラファイト+NBR
用途:自動車、工業用高性能ジョイントシート
標準シートサイズ
大きさ:1000×1480,1500×1480,1480×2000mm
厚さ :0.5,0.8,1.0,1.5,2.0,3.0mm
特徴 :耐高熱水性、耐蒸気性、耐油性に優れたガスケット材料で、ラジエータ、ボイラー、フランジ、バルブ、ポンプ、熱交換器、圧縮機、電力プラント、熱システム、化学工業用などに適しています。
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