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樹脂材料について5

■発行日:2010年4月1日発行  NO.02-20

新シール概論(20)(樹脂材料について)

シール用樹脂材料(続き)(PTFE)

4)用途
ウェアリングにもPTFEが使用されています。しかし、用途的には、高荷重にはクリープが大きいので、使用が限定されます。{ウェアリングとはしゅう動部材が相手面に接しないようにするための一種の軸受け(すべり軸受け)です。}

他の材料のウェアリングよりもPTFEであるメリットは、摩擦抵抗が極めて低いことです。また他方、コンタミの存在がある場合には、PTFE自体に埋蔵する能力があり、コンタミによる悪影響を緩和することもあります。

使用される PTFEはほとんど、充填材入りとなります。(摩耗係数とクリープ現象の低減のため)下図にウェアリングを示します。

ウェアリング

T= (F×f) / (D×Pr)
T:ウェアリングの幅(mm)
F:最大荷重(N)
f :安全率
D:ピストン径(ロッド径)(mm)
Pr:運動中の許容荷重

ウェアリングの幅Tは上式により、決定されます。既に説明しました高荷重には向かないとは、Prが大きく取れないことになります。

余談ですが、ウェアリングの幅を大きく取れば、ある程度の荷重に耐えられることになりますが、実際にはスペースが制限されることから実現できません。

国内では、20mmの幅が必要となる場合、1個のウェアリングで対応するか2枚(10mm)で対応すべきかの問題があれば、必ず1枚が使用されます。しかし、2枚で対応する(ただし、少し位置をずらして)方式が応力の分散で性能が十分に発揮するとの考え方が欧州では多いようです。

ロッドシールの例

上図はロッドシールの例ですが、ここでは3枚のウェアリングが使用されています。(参考資料:Fluid Sealing Technology) (続く)