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新シール概論(2)Vリング

■発行日:2021年12月1日発行 No.03-93

Vリングはスウェーデンのフォーシェダ社(Forsheda AB)(多分、現在、ドイツのトレルボルグ社の傘下にあると思われます)の特許で、回転軸に取り付け、軸とともに回転し、図1のようにリップが相手に接触してシールし、本体はリップを支えながら軸をシールする構成をしたVリングです。

1 Vリングの構造(福田交易社資料から)

 遠心効果により固体粒子や液体をはね飛ばします。ゴム100%の円錐状リップなので相手面に弾力で接触します。

 だから軸に偏心、偏角があってもシールが維持できます。

 周速が12/s以上になるとリップが相手面より浮き上がるので、Vリングを食い込み付き台座にはめ込むなどしなければならない。

 一般的なシールには好結果が得ているが、

研削機の侵入を防いだり、泥水に浸った部分などの条件の厳しい箇所にはこれだけでは無理で、他のシール要素と組み合わせる必要があります。

 ゴム材料は、全般的にすぐれた特性のNBRが使用されます。温度が100℃以上なる用途や腐食性の流体をシールする場合にはFKMが最適です。

 ただし、最適な材料を選定するためには下記の条件を考慮する必要があります。

 ・耐薬品性

 ・温度

 ・耐候性および耐オゾン性

 ・耐摩耗性

 ・低摩擦

 ・弾力性

 ・耐圧縮ひずみ性

軸の設計は、Vリングは軸に取り付けるのが一般的で軸の求める公差や面粗度はあまり厳しくなくても良い。(6.33.2Ra程度の面粗度)

 同社のVリングの断面にはA,S,Lタイプが準備されています。それを図2に紹介します。

2 各種Vリングのタイプ

 

FAX通信3年12月

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