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新シール概論(2)固定シール用補助材(2)

■発行日:2022年2月1日発行 No.03-95



・シーラントが塗布後硬化皮膜を作る過程
 シーラントの成分によって異なり、①自然硬化 ②加硫剤による加硫硬化 ③高温で軟化し、液状になったものが使用時に低温で固まる、などいろいろあります。
 なお加硫で硬化する合成ゴムを材料にしたシーラントは、硬化と同時に接着性があるので、シールとしてのみでなく接着剤の働きを兼ねたものが多い。
・作用から見たシーラントの分類
1.硬化皮膜をつくるもの 
①塗布後の加熱によるもの
②加硫剤を加えておき熱によって加硫硬化させるもの
③乾性油に合成樹脂を混ぜ、塗布後乾性油が酸素によって硬化する作用を利用したもの、があります。
加硫硬化のものは強力な接着力があり、弾性に富むので、屈曲、振動のある箇所に用いられます。
2.粘着性をもち硬化皮膜を作らぬもの
 合成ゴムに液状可塑剤を加えたものが多い、極めて低圧の接手などのシールに使われています。
3.テープ状のもの 
 合成樹脂の薄い皮膜やこれを布で補強したものがあるが、これは簡単な穴やすき間の回り止めに使用されています。
4.使用上の注意
①垂直面のシールには液状シーラントは不向きで、粘度の大きいシーラントを用います。
②接手部分で流動性のシーラントが使用できない時には、テープ状シーラントを用います。配管のねじの接手にはPTFEの生テープが多く使われるのは、PTFEは油、薬品に耐え、高温・低温でも変質せず、取扱いが容易のためです。
図2に接手にシーラントを使用した例を示します。

図2 接手にシーラントを使用した例
ガスケットペースト
 一般に、ガスケットペーストと呼ばれているものは、黒鉛や雲母を主材としてこれに油脂、皮膜剤、粘稠剤、分散剤、防錆剤などを混合し、ペースト状にしたものです。
 液状ガスケットのような強い粘着力と弾性はないが、柔軟性と流動性があるためシーラントとして相応の機能を有しています。
・PTFEペースト
 PTFEの粉末を水やふっ素オイルに分散し、粘稠剤や分散剤を添加したケミカル流体用のシーラントとして使用されます。

FAX通信4年2月

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