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新シール概論(2)シールについて(6)(特別号)

■発行日:2022年10月1日発行


シールの選定について、述べましたが、まだ幾分か説明したいことがあります。

 

カルテのようなものを作成して、漏れなく仕様を記載の上、シールメーカとの打ち合わせとなりますが、
特に新規な製品で、機密事項もある場合には、秘密保持契約などを交わす必要がる場合があります。

 

開発品となりますと提案されたシールで、特許が取れるケースもあり、そのあたりに注意が必要です。
この場合には一般的には、両者が当事者となり、共同提案で行うのが多いようです。

 

また開発には、種々の試作や実験も伴う場合には、
その費用についても事前に両者で打ち合わせが必要です。
過去の話ではありますが、これらの開発には相当時間を費やすこともあり、
シールメーカでは開発品目として取り上げ、研究費を計上して実施することもあります。
このようにして、新製品が生まれることが多い。

 

その他、シールメーカでは各社で新規にカタログアイテムになるようなシール製品を開発して、事業化する場合も多くあります。
このあたりになりますと、その会社の実力が物言うことになります。
簡単に述べましたが、実は大変な事項で、開発に費用も時間もとりますので、
各社は研究開発費を別に計上して取り組むことになります。

 

シールの規格について、少し述べておきます。規格の誕生には相当の時間の経過が必要で、
次のようなステップを踏むことになります。
1段目にはある会社で、新規のシール製品が先ほど述べましたような経過で誕生しますと、
その会社はカタログアイテムとして市場に出します。
2段目にはその製品が市場で受け入れられて、認知される。画期的な製品であるほど、
認知度が向上して、その価値が生まれてきます。
3段目には、その業界の工業会で工業規格として、審議されて、その製品の規格が作成されます。
4段目には、工業会規格が国の規格(JIS)化する価値があるとすれば、審議されてJISの誕生となります。
最終段目には、その国の規格から世界の規格(ISO)として取り上げることなります。
このように、企業規格(カタログアイテム品)から、工業会規格を経て、
国の規格へ最終的には世界規格になることもあり得ます。
このようなシール製品が出てくることを多く望みます。

 

次回には、もう少しシールに関する規格について説明したいと思っています。
どうしても、このシールの狭い世界で、案外、多くの規格があります。
やはり、長い歴史の中で、関係者のたゆまぬ努力があったのです。
今後の予定では、あと2回ほど、シールの諸説を述べた後、
総まとめの新しいシリーズを取り上げたいと思っています。

 

(続く)

 

FAX通信4年10月

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