その他のシール製品(ダイアフラム)(4)
2016.07.01
■発行日:2016年7月1日発行 NO.03-29
新シール概論(2)その他のシール製品(ダイアフラム)(4)
布入りダイアフラムでは、一番多いのは、中央に布が入るタイプです。
用途にも依りますが、片側布もあります。
過去に経験したことをお話しておきます。成形タイプのダイアフラムで布とゴムの素材を別々に使用して、一体の金型で成形すると布の押さえ方により、平形では問題はでないのですが、布が最短距離を走り、布が一部露出しました。
この場合には、できた製品は気体の用途では、露出した部分から気体が漏れを起こしたことがありました。
解決方法は、予め、布を予備成形して、使用しますとこのようなトラブルは発生しないことが分かりました。
図3.4 布の成形後の布の位置(Freudenberg社のカタログから)
耐薬品性を重視して、ゴムでは使用できない流体の場合に流体に接する側にPTFEのフィルム(膜厚のある場合もありますが)を接着したダイアフラムもあります。
図3.5 PTFE付きダイアフラムの例(Freudenberg社のカタログから)
4 その他の事項
設計上の注意点について、少し専門になるので、できるかぎりメーカと相談して仕様を決めてください。
なお、参考になる注意事項は
- ダイアフラムに耐圧をすべて持たせない。必ず、ストロークエンドでは他の受けで支えることが必要です。
図3.6 ダイアフラムの支え(Freudenberg社のカタログから) 図3.6では左側の構造では、ダイアフラムの支えが良いのですが、左側では全くない悪い設計です。 - ダイアフラムの当たる箇所はすべてRを設ける。
特にダイアフラムが常に変形しながら作動するので、集中応力を発生させない。
(続く)
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