有限要素法について(6)
2013.03.01
■発行日:2013年3月1日発行 NO.02-55
新シール概論(55)(有限要素法について)
4.シールにおける利用方法
3)有限要素法での問題点
2)では如何に有効に利用価値があるかが、お分かりになったかと思います。
しかし、何か形状とか、数字が出たからすべて問題がないと思うと間違いも起こりがちです。
やはり、実証を行って、確認することも重要です。
前に感圧紙でUパッキンの圧力分布を調べると説明した文献では、最終的には、FEMで確認をしています。
その内容を次に示します。
上図はFEMでの解析、下図は前に示した感圧紙と実際の圧力による色見本から決めた分布です。
文献はMeasurement of contact pressure in pneumatic actuator seals (M.Conte氏他:2006年のInternational Conference on Tribology)
このように完全に合致はしていないが、全体としての傾向は見られます。
当然の誤差はありますし、FEMのソフトに入れる値にも問題がある場合もあります。
しかし、すべてを疑う必要もありません。今後の進歩により、FEMの得られるデータの信頼性は向上することには間違いはないと思っています。
4)CAEとの関連について
CAE (Computer Aided engineering :コンピュータ支援技術)とは、元々コンピュータ支援による製品の開発、設計から製造に至るまでを広く示したものであり、しかしながら、現在ではFEMを中心とする各種解析を行うことCAEと呼ばれる場合もありますので、同意語的に取れえても良いようです。
5)まとめ
現在はすべての業務でコンピュータがないと出来ないような状態になってきました。各産業でも同様です。
シールの設計でもこのようなFEM、CADなどを武器として大いに利用しないと他社との競争に打ち勝てない時代になりました。(続く)
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