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Oリングのはみ出し防止用バックアップリング(2)

■発行日:2009年8月1日発行  NO.02-13

新シール概論(13)(特別号 8)
ISO 36014 Fluid power systems-Orings- Part4 Antiextrusion rings(backup rings)(続き)

 

先月号で紹介しました、T4,T5 についての問い合わせがありましたので、追加してもう少し、説明いたします。

 

この凹面タイプのものは、国内では、過去あまり知れていなかった形状でした。 なお、海外では米国Parker 社のゴム(硬さ90)で、近い形状で、紹介されています(同 社の商品名Parbak)。(下図参照)

 


図 Parker 社のParbak(同社カタログから)

この製品の大きな狙いは、ゴムであるので、引き伸ばして装着できる点です。
他方、今回の凹形タイプは、Oリングの変形を防げ、バックアップリングがOリングを保護しながら、役割を担うことを目的としていると思われます。(Oリングに優しいバックアップリング)欠点は、他のタイプと比較すると価格が高いと言えます。従って、過去、従来のバックアップリングで問題があった用途には最適でしょう。

 

材料は、PTFE樹脂(純、ガラス入り、カーボン入り、ブロンズ入り)や、ポリアミド樹脂、熱可塑性ゴム、ウレタンなどを記載しています。他方、形状と圧力の関連では、T1(スパイラル)は 10MPa~20MPa、T2(バイアスカット)は 15MPa~20MPa以上、T3(エンドレス)では25MPa以上までと説明していますが、これらは、いずれも使用温度やすきまとの関連や材料により、異なることは当然でしょう。T4,T5については、明確には記述していませんが、先ほど述べたように劣る点は、無いと思われます。参考に米国の規格(AS5860)では、使用する材料により、使用圧力を規定しているのがあるので、紹介しますと、純PTFE(AMS3678/9)では圧力20.7MPa、カーボン繊維入りPTFE(15%,AMS3678/10)では 34.5MPa としています。AS 5860 Retainer(Back Up Rings),Hydraulic and Pneumatic, PTFE Rings, Single Turn, Static Gland (続く)

 

「テスニット」
ノンアスベストジョイントシート

 

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