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樹脂材料について8

■発行日:2011年1月1日発行  NO.02-29

新シール概論(29)(樹脂材料について)

 

1.シール用樹脂材料(続き)

2) PE樹脂について
シール用部材としてポリエチレン樹脂が使用される場合はほとんどないと思われます。
PE樹脂は、汎用の安価で代表的な樹脂に間違いありません。
PE樹脂は、耐薬品性にも優れ、密度も低いなどの特徴がありますが、耐熱性がシール部材として余り魅力がないことも一因かもしれません。(80℃以下の使用)
最近、シール用に用いられているのが超高分子量PE(Ultrahigh Molecular Weight Polyethylene)樹脂です。
通常のPE樹脂と比較して分子量が極めて高く、融点は136℃です。
このUHMW-PEは、優れた耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性を持っています。
耐摩耗性で、優れている例に次のデータがあります。

超高分子量ポリエチレンは圧倒的に砂摩耗指数が低い

図1.各材料の砂摩耗性の例

 

「砂摩耗法」(等量の砂と水を混合したスラリー中、試験片を1,750rpmの回転速度で7.5時間回転したときの試験片の摩耗減量を測定する方法)により、UHMW-PEの摩耗減量(容量)を1としたときの砂摩耗指数で捉える。
また摩擦係数もPTFEと比較してもあまり遜色がないほど低い値です。
水潤滑の場合、動摩擦係数 0.05~0.10(PTFEでは0.04~0.08)です。
素材には丸棒やシートなどがあります。

 

シール部材として、

  1. 直接のメインのシール部材として使用されています。(例、バネ補強樹脂Uリングでは水やスラリーなど流体にUHMW-PEが有効です。)
  2. ワイパー(砂やスラリーなどのコンタミ用)
  3. ウェアリング、軸受けなど

(続く)

 

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