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新JIS規格について(3)

■発行日:2012年3月1日発行  NO.02-43

新シール概論(43)(新JIS規格について)

1.新JIS B 2401のシリーズの紹介(3)

Oリングの外観品質基準は従来JIS B 2408を呼び出していましたが、既にご存知のようにJIS B 2401-3の適用になっています。
次に基本材料の物理的性質は前号に追加されました新しい種類も含めてすべて規定されています。内容が多いので、ここでは省略させてもらいます。
しかし、試験内容の項目はすべて過去の規定と形態となっています。
また製品の識別コードは非常に難しく、かつ、長くなっています。例で指示されていますものを示します。

例1材料NBR-70-1,固定用Oリング呼び番号G80,品質等級Nの場合
OR□NBR-70-1□G80-N (□は、ブランクとする)

 

例2材料FKM-70,内径86.5,太さ5.5,品質等級CSの場合
OR□FKM-70□86.5×5.5-CS (□は、ブランクとする)

 

例3(ISOのOリングの場合)
ISOシリーズF,呼び番号011,許容差クラスA,品質等級Sの場合

OR□ISO-F-011-A-S (□は、ブランクとする)

 

例4(ISOの規定外のシリーズFの場合)ISO規定外シリーズF, 内径68.50,太さ2.62,許容差クラスA,品質等級Sの場合
OR□ISO-F-68.50×2.62-A-S(□は、ブランクとする)

 

例5(ISOシリーズSのOリング場合)
ISOシリーズS,呼び番号C0545,品質等級CSの場合
OR□ISO-S-C0545-CS(□は、ブランクとする)

以上のように規格に記載されていますが、少し、気になるのは、ISOシリーズでは一切材料の識別コードが記載されていないので、別個に追加すべきことになる点ですが、このことについて触れられていない点です。
製品の識別コードは馴染むまで時間が要することになることでしょう。
しかし、この規格では新たに規格としても新たに市場で良く使用されているゴム材料が追加されたことはよかったと思います。

なお、寸法の許容差についても触れておきます。
従来のP,G,VではOリング内径許容差は、VMQ及びACMはベースのNBR(EPDM)の1.5倍、FKM及びHNBRはNBR(EPDM)の1.2倍となっています。
当然のことながらゴムの硬さに70と90のものがあるものも同等の扱いになります。しかしながらISOシリーズのOリングでは許容差のクラス別がありますが、このクラス別と適用するゴム材料との関係が述べられていないので、個々に受渡し間での付帯事項になる可能性があります。できれば、このあたりISOがらみのOリングでは不明点が多く存在していることが問題かも知れません。

(続く)

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