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新シール概論(2)シールについて(7)(特別号)

■発行日:2022年11月1日発行



シールと規格との関連について、もう少し詳しく述べたいと思います。

まず、シール製品の規格は案外少ないと思っています。
もっともシールの中でも代表であるようなOリングでも長い歴史の中で、
多くの遍歴があり、現在のOリングの規格があります。

日本独自のミリのものは、確実に定着しているのは、明確ですが、
世界の動向の中では米国のインチ系列がやはり強烈に大きな存在であり、
ISOの関連もあり、JISにも導入されてきました。
どうして、国際規格のISOはミリの世界ですが、
インチ系列のインパクトも大きく、採用されています。
昔、ISO関連の仕事に関与して時代には、
このインチとミリの世界で揺れ動いた記憶が残っています。
規格の取り扱いに関しては、国内の優れたJIS規格がありますが、
30年程以前から、ISO規格の国内導入が促進され、漸次導入された経緯があります。
国内の優れたJIS規格もISO規格への採用を強く動いていますが、
今一つ中々、難しいのが現状でしょう。
しかし、Oリング以外のシール製品のISO規格は真のミリの世界になっています。
シールの規格では他方、ゴムに関連する規格が多くあり、多いに利用、適用されています。
以前にも詳細にこの関連の規格は紹介をしていますので、
是非、興味のある方は、このFAX通信の古いものから見出してください。
しかしながら、規格は時代と共に改変が常識ですので, 参考にする場合は最新の規格を手にして見てください。

規格の話はこれで終わりして、最近のシールの製品の新しい手法を述べておきます。
これは、以前にも説明したのですが、有限要素法(FEA)です。
この手法は一種の応力解析であると言ってもよいものです。
現在、この手法により、製品開発から、無くてはならないものになっています。
古い話ですが、筆者の卒論は光弾性に関するもので、
一枚の円板上に3点の力が加わった場合の応力解析でした。
当初では計算式を導入して、数字を入れて昔の計算機(当時には回転式で数字をいれて、手動で回転するものでした。当然、電卓もありませんでした。)で計算してその結果を図示化して、
光弾性と対比して計算式の妥当性を証明しました。
現在では、このような簡単な解析はこの有限要素法で、短時間で解析できるでしょう。
ゴム製品への応用には相当時間を要して様ですが、現在では良いソフトも出て、日常で適用できるようです。
この手法はシールの実際の使用時の動きにも使用されて、目で見えるようになり、非常に便利になっています。
今後とも、大いにこの有限要素法は色々のところで使用されていくでしょう。
やはり、時代と共にこのような手法が多く実現して、便利になるでしょう。

(続く)

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