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その他のシール製品(樹脂製オイルシール)(3)

■発行日:2018年1月1日発行  NO.03-47

新シール概論(2)その他のシール製品(樹脂オイルシール)(3)

 

続けて樹脂オイルシールについて見ていきましょう。(三菱電線工業株式会社のカタログの紹介の続きです)

 

5. 樹脂オイルシールの機能特性
樹脂製オイルシールとフッ素ゴム及びシリコーンゴム製オイルシールとの比較試験結果を図5に示します。
試験条件は

  • 軸径:60mm
  • 回転数:9,000rpm(周速28m/s)
  • 圧力:大気圧
  • 試験油:エンジンオイル(SAE10CD/SE)
  • 油温:120℃
  • 試験時間:20時間運転4時間停止
    20サイクル

なお、樹脂製オイルシールはハイドロスレッドタイプです。

図5 高速耐久試験結果
図5 高速耐久試験結果

 

次に軸偏心量を変化させた場合の比較試験です。
試験条件は上記に次の要因を加えています。

  • 軸偏心量:0.03,0.10,0.22mmTIR

その結果を表1に示します。

表1 軸偏心性能試験結果
表1 軸偏心性能試験結果

6. シール取付け部の注意事項
軸設計

  • 軸材料及び硬さ
    軸材料は、HRC40以上の焼き入れ鋼材を推奨です。ステンレス鋼等の特殊材料及び硬質クロムめっき等の表面処理は、使用条件によっては適さない場合があります。
  • 軸寸法許容差
    推奨範囲:JIS B 0401寸法公差及びはめあいの方式のh8
  • 軸の表面仕上げ
    推奨範囲:0.2~0.4Ra
    なお、軸表面は送りをかけないグラインダ研磨の仕上げ
  • 軸偏心及び取付け偏心
    表2を参照ください。
表2 許容偏心量の値
表2 許容偏心量の値

 

  • 軸端加工
    図6を参照ください。
図6 軸端加工
図6 軸端加工

シールエレメントの内径より小さくしてください。

 

(続く)

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