一覧に戻る

その他のシール製品(組合せシール)(3)

■発行日:2017年4月1日発行発行  NO.03-38

新シール概論(2)その他のシール製品(組合せシール)(3)

 

3)突起タイプ(続き)
反発力を部分的に集中させることにより、漏れ特性を向上させることができる。
ただし、長期の使用により、摩耗、クリープにより、これらの効果が減少することが欠点です。
各社から色々の形状のものが、出ています。

 

2. シール性能について
組合せシールについて、案外公開されているデータが少ないので、詳細に述べるのは、困難であるが、三菱電線工業株式会社では、データの公開があるので、一部を紹介いたします。

 

2.1 抵抗特性について
Oリングと対比した場合のキャップシール(前回紹介した図6のタイプです)の休止時間と始動抵抗との対比を図8に示します。

図8 抵抗の違い
図8 抵抗の違い

 

古い資料なので、単位やOリングサイズも旧名称ですが、Oリングとキャップシールの対比ができます。
ゴムOリングは休止期間、圧力および温度によって始動抵抗がかなり変化するので、微妙な作動を必要とする用途には不向きです。キャップシールはこのような欠点がなく、安定した低い始動抵抗値を持っています。図8に示すように、キャップシールはOリングと比較して休止時間後の始動抵抗は安定し、Slip-stick(しゃくり現象)が起こり難いことを示しています。

 

他方、摺動抵抗はOリングと対比して、格別に下がっていないことも示しています。図9にその比較データを示します。

図9 圧力による摺動抵抗の変化
図9 圧力による摺動抵抗の変化

 

なお、S4101とは純PTFEでS4161はブロンズ入りPTFEです。
やはり純PTFEは摩擦抵抗が低い材料であることが分かります。

(続く)

お問い合わせフォーム

 

個人情報保護方針