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その他のシール製品(組合せシール)(4)

■発行日:2017年5月1日発行  NO.03-39

新シール概論(2)その他のシール製品(組合せシール)(4)

 

3. 漏れ特性について
漏れほど、不安定の要素が多く、試験してもある程度傾向が見られるが、常に一定とはならないようです。
図10に圧力による漏れ量を示します。

図10 キャップシールの圧力による漏れ量
図10 キャップシールの圧力による漏れ量

 

やはり、圧力による影響が顕著に見られます。

 

図11 温度による漏れ量の変化
図11 温度による漏れ量の変化

 

キャップシールは案外温度による変化は少なく安定しています。O リングは逆に温度が上昇につれて漏れ量が減少傾向にあることが見られます。
PTFEの材料は前号と同じです。

 

4. その他の組合せシールの例
以上までは三菱電線工業株式会社の資料でしたが、著Dr.MullerのFluid Sealing Technology:principles and applicationsに参考になるデータがありましたので、紹介します。
製品はTrellborg社のStepseal-Kです。
ロッド用シールの代表的なもので、有名な製品です。図12に構造と接触圧力を示しています。

図12 Stepseal-Kの構造と接触圧力
図12 Stepseal-Kの構造と接触圧力

 

構造から分かるように樹脂部は非対称形で圧力方向は、図12のように左側で、右側は低圧側(大気の場合もあります)です。
接触圧力は流体に接する箇所が一番大きくなっています。この点でシール力が最大となっています。当然左側でほぼOで、典型的なロッドシールの構造となっています。
漏れ特性は基本的には25MPaまではゼロという素晴らしいものです。

(続く)

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