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その他のシール製品(組合せシール)(5)

■発行日:2017年6月1日発行  NO.03-40

新シール概論(2)その他のシール製品(組合せシール)(5)

 

4. その他の組合せシールの例(続き)
Step seal-Kの続きですが、密封圧力による接触圧力分布は図13に示します。

図13 密封圧力と接触圧力分布
図13 密封圧力と接触圧力分布

 

これを見ますと、初期に与えたOリングとStep seal-Kの構造からの接触圧力において密封圧力が導入されている自封性が成立しています。
ただし、圧力が25MPa以上になると往復時の油膜が戻り行程で完全に構造上から減少して漏れが起こる現象が見られる。
従って、これ以上の高圧に使用するときには、シールをタンデムに2個使用すれば解決します。
昔、ロッドシールで漏れを少なくするために単純に2個を使えば(この使い方をタンデム方式と言います)、良くなるとの神話がありましたが、一般的にはタブー事項でした。

図14 ロッドシールのタンデム方式
図14 ロッドシールのタンデム方式

 

例えば、Oリングを2本することを考えるとどうしてもOリングOリングとの間の空間に漏れたものが蓄積して、圧力が極大化して、Oリングを破損する可能性があります。この蓄圧説が常識でした。しかし、Step seal-Kでは、2本使いしても蓄圧はしない構造になっています。
これらの構造を図14に示します。
従って、最近のロッドシールではシステム化になり、シール構造が変わりつつあります。
構造は圧力側にStep seal-k 、次に通常のUパッキン、最後にワイパーシールを使う形式の採用が多くなりました。
この場合の組合せシールは一種のバッファーシールとしても役割を果たします。
このバッファーシールはシステムの圧力の衝撃を緩和して、メインのシール(この場合Uパッキン)にできる限り高圧や圧力脈動を加えないようしています。

図15 ロッドシールシステム
図15 ロッドシールシステム

 

(続く)

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