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新JIS規格について(6)

■発行日:2012年6月1日発行  NO.02-46

新シール概論(46)(新JIS規格について)

 

1.新JIS B 2401のシリーズの紹介(5)

1.2 JIS B 2401-2 Oリング‐第2部: ハウジングの形状・寸法についての続きです。

真空用(G)については、将来性を見極めた処置が講じられたことは良かったと思います。旧JIS B 2406には真空用のハウジング寸法は該当するJIS B 2290「真空装置用フランジ」を呼び出していました。

しかし、1998年度版(最新)では、Oリング(V)を使用する真空用ハウジング寸法は、規格本体から外された上、附属書(参考)に移されました。この内容では、「この附属書は、これまで使用されていたJIS B 2290:1968が産業に深く浸透していることを考慮し、保守用として用いる真空フランジの寸法について記述したものであり、規格の一部でない。」との位置づけとなり、将来削除されることが予想させるような表現となっていました。またサイズではV15の該当するハウジングもなかったことも配慮して、新にこの規格にハウジング寸法を導入したようです。更にハウジング寸法にすべて許容差が入れられた。(JIS B 2290ではこの許容差も指示されていなかった。)

ただし、公示されている規格ではハウジングの詳細断面図が省略されていました。(従来から溝部のコーナの面取り1Cがありましたがなくなっていました。案外重要な役目があったはずです。)

ISO関連のOリングに関するハウジングはその設計思想が明確に示された上、それに基づき規定されています。

 

まず、シリーズFについては、次のように考えれば良いと思っています。

AS568(米国のインチ系Oリング)が、産業用にすべての用途に向けてのハウジングが作成できたことで利用できるようになった。しかし、従来のP,G,VのOリングと比較するとハウジング寸法は、標準数を取った整数でなく、管理上少し扱い難いとのイメージがあるでしょう。

しかし、Oリングのサイズが追加された上、太さの小さいものでも大きな内径のものが使用できると考えれば設計に自由度が上がったことになります。

また設計思想を良く読んで消化できれば、新規に設計することも更に簡単になることも言えます。

 

しかし、相当以前にも言いましたが、真のミリ系のOリングが誕生して、ロッド径やチューブ径に標準数を使えるハウジングができればよかったかもしれません。(将来に希望を残して置きましょう。)

残念なことがまだあります。ISOでは表面仕上げに負荷曲線の性状を加える事が規定されていましたが、今回時期早々と実績が少ないとの理由(?)で取り入れなかったことです。

いまやEUや米国でのOリングやパッキンのカタログでは相手面の表面仕上げには負荷曲線が必要と説明されているものが多くなっています。

 

(続く)

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