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新JIS規格について(7)

■発行日:2012年7月1日発行  NO.02-47

新シール概論(47)(新JIS規格について)

1.新JIS B 2401のシリーズの紹介(6)

1.3 JIS B 2401-3 Oリング‐第3部: 外観品質基準について紹介いたします。

現在で発行されているJIS B 2408を改正したものですが、最近の該当ISO3601-3;2005に基づき変更されています。

まず、欠陥の用語及び定義には今回、ISOに含まれていない3点が新たに追加されました。その3点は

  1. 裂け(rupture): 通常は破断した形となる、せん断状の裂け。
  2. クラック(crack): ゴムの鋭い割れ目、裂け目又は小さい亀裂。
  3. ブリスタ(blister): ゴムの表面に発生した中空の膨れ。

これらは、将来、ISOに提案して追加することを配慮したためと考えられます。

しかし、問題があるのは、その定義はされていますが、肝心の外観品質基準では図面や写真が示されていないことです。

「表面の状態で、これらは倍率2倍の照明付き拡大鏡によってOリングを獣状態で観察したとき、これらの欠陥があってはならない。」と規定しています。特にクラックなどの欠陥は往々にして、自由状態ではなく、曲げるなどして見つけることが多いことも事実です。(筆者の独断ですが)

次に品質等級が変更となり、3つの等級になりました。

  1. 等級N : この等級は、一般に用いるOリングの外観品質基準を示す。
  2. 等級S: この等級は、高度なレベルを要求する用途に用いるOリングの外観品質基準を示す。
    航空機、自動車及びその他の重要な工業製品に用いるOリングには、この等級を適用する。
  3. 等級CS: この等級は、更に高度な品質を要求する用途に用いるOリングの外観品質基準を示す。航空宇宙機器、医療機器などのより高い信頼性が要求される重要な危機に用いるOリングには、この等級を適用する。

この 3.の等級CS が新たに追加されました。

ただし、等級選択では、使用者が購買時点で等級を指定しない場合には、Oリングの等級はNとなり、ISO精密機器用Oリング(シリーズS)においては、同様に指示がなければ、等級はSとなることも規定しています。

特に、等級CSでは、従来認めていた欠陥のひけなどは許容しないなどと厳しいものとなっています。

これらの等級については、最終的には、製品のコストに大きく影響される事になりますので、使用される箇所とその重要性を確認することの大切さが必要になります。

(続く)

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