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新JIS規格について(8)

■発行日: 2012年8月1日発行  NO.02-48

新シール概論(48)(新JIS規格について)

1.新JIS B 2401のシリーズの紹介(7)

1.3 JIS B 2401-4 Oリング‐第4部: バックアップリングについて紹介いたします。

現在で発行されているJIS B 2407を改正したものですが、最近の該当ISO3601-4;2008に基づき変更されています。

従来の規格と比較しますとISO用Oリングに関しては新たに新設していますが、元々のOリングのP,G用バックアップリングとはあまり変わりはありません。

次に変更になった事項を上げますと、

1) 製品の識別コード:例1
BR□JIS B 2401-4-T1-P20 (□はブランクです)
T1は種類記号(形状と材料によるもので、下表のとおりです)

種類記号 材料 形状
T1 四ふっ化エチレン樹脂 乳白色 スパイラル
T2 四ふっ化エチレン樹脂 乳白色 バイアスカット
T3 四ふっ化エチレン樹脂 乳白色 エンドレス
T4 充填材入り四ふっ化エチレン樹脂 茶褐色 スパイラル
T5 充填材入り四ふっ化エチレン樹脂 茶褐色 バイアスカット
T6 充填材入り四ふっ化エチレン樹脂 茶褐色 エンドレス

最後のP20はサイズです。

例2(ISO用Oリング用)
BR□JIS B 2401-4-T1-699-RD-020000-021180 と非常に難しくなっています。
まず、699はOリングの太さで表示は値の100倍しています。(太さ6.99㎜)
RDは用途の記号です。(ピストン運動用:PD、ピストン固定用:PS、ロッド運動用:RD、ロッド固定用:RSで、例はロッド運動用となります)
020000はロッド径(mm)またはシリンダ内径(mm)を100倍しています。
(例ではロッド径が200.00mmを示しています)
最後の021180はハウジング溝径を示しています。

次にISOのOリング用バックアップリングの寸法は、従来のP,Gのような各寸法の提示ではなく、各要素について、ISOどおりで記載しています。

  1. 太さ毎にスプイラルのすきま、バックアップリングの厚さ及び幅。
  2. ブックアップリングの外径及び内径の許容差は外径又は内径の寸法に区分ごとに設定しています。

従って、JIS B 2401-2のISOのOリングのハウジング寸法とペアとなっています。この面では、各社のカタログで寸法表が発行されれば解り易くなると思います。今回、ISOに新設されていましたConcaveタイプのシリーズは国内での実績が少ないなどの理由で削除されています。以前にもISOの紹介で述べましたが、この新形状はユニークで、大いに利用価値があると思っていました。
(Oリングに対して保護し易い。ただし、装着には方向性が限定されることが欠点です。)

(続く)

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