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特別号(サニタリー用関連)(10)

■発行日:2016年3月1日発行  NO.03-25

新シール概論(1)特別号(サニタリー用関連)(10)

 

7 シール類に要求される事項(続き)

 

図7.9は、DuPont社のカルレッツを使用したフェルール・ガスケットの例です。

図7.9 DuPont社のサニタリー用フェルール(同社 Technical informationから)
図7.9 DuPont社のサニタリー用フェルール(同社 Technical informationから)

 

その工夫は、内側にFFKMで外側に金属を使用して、締め付けたときのゴムの内側の飛び出しや凹みを減らすようにしている点です。

図7.10 金属製フェルールの例
図7.10 金属製フェルールの例

 

図7.10の示すように、ゴム樹脂の代わりに金属製(SUS材)を使用するフェルールもあります。(TOKI Engineering社のカタログから)
その他には、ゴムのフェルールに液に接する側を完全にPTFEの薄いフィルムでカバーしたタイプの各社から出ています。
以上のように色々のタイプのフェルール・ガスケットを見てきましたが、シールに要求される事項を満足させるように工夫されています。
今後とも、新しいタイプのものも誕生することでしょう。
サニタリー用途でのシールから見たことをこのシリーズとして取り上げました。
なお、これら関連のシール類は医療関連も含めて使用されていますが、特に医療に関しては、今後機会がありましたら、取り上げたいと思っています。
(独法)海洋研究開発機構での海洋地球研究船「みらい」の採取にニンキン(ある一定の深さでの採水用器具)で採水しているが、シールには、一部NBRのOリングを使用しているが、そのゴムから由来する毒性(植物・動物プランクトンバクテリアの発生)による原因で問題が起こった。その原因を調査した結果、NBRの材料に問題であることが判明した。FKMに変更したら解決したとのレポートがありました。ゴム材料による影響度合いの一例でしょう。

(続く)

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